(東京から引っ越してきた人の作った京都小事典)
京番茶
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煙草の吸い殻を間違って落としたのではないかと思われるような味と香りのする、京都のお茶です。
京都の家庭では常用のお茶として親しまれている。慣れればこんなに美味しいお茶はないらしい。
どうやらお茶にも慣れなければならないようだ。
これは「京都経済同友会」のサイトに一保堂の役員の方が書かれたエッセーに掲載されていた写真。
左がお茶、右が茶葉。
- 【私説】
- 京番茶とは、京都の番茶で、枯れ葉のような形状で葉脈(枝)も混じっている安手のお茶。煙草の吸い殻を間違って落としたのではないかと思われるような味と香りに特徴がある。
- お寺さんでも参拝の待合いに出してくれる。
- 私が初めて飲んだのは確か大徳寺のどこかの塔頭で、説明員の時間待ちの間にお坊さんが出してくれた。煙草の味がして、意地悪でもされたのかと思った。
- 京都の家庭ではごく普通に常用のお茶として親しまれています。お客さん用ではなく、本当に普段に飲むお茶です。
- 冷やしても熱いままでも美味しい、初めはちょっと苦いかもしれないが慣れればこんなに美味しいお茶はない、と言っています。
- お茶自身も安いので使いやすい、とのこと。
- 「一保堂茶舗」では『いり番茶』(200g368円、H16現在)、「柳桜園茶舗」では『刈り番茶』の名で売っています。このクラスの店のお茶になると決して安いとは言えないが、店では一番安いお茶である。
- 入れ方は、大きめのやかん(約3リットル)に7分目のお湯を沸騰させて、火を止める、必ず止めてから、茶を手で1〜2つかみ(約30グラム)入れ、そのまましばらく(約10分ほど)置けば出来上がり。
- CMで全国的に有名になったサントリーの『京番茶』とはまったく違うもの。
- 笑い話
- 外国の友達にお土産として「茶葉」を持っていこうとしたら、税関で「麻薬」と間違えられて拘束された人がいる、という話。
- 【川柳】
- 京番茶 苦い不味いも 慣れ次第
- 客玉露 家族は苦辛(いがら)の 京番茶