(東京から引っ越してきた人の作った京都小事典)
京都中華思想
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東京から京都へ引っ越してきて、住民異動票を区役所に提出しに行ったら、「地方からの転入ですか」と聞かれた。
京都の人の心の中には、ぬきがたい中華思想がひそんでいます。なにも考えずに自然と行動に現われている。
- 【梅棹事典からの一部引用】(本文からの引用)
- 京都のひとの心のなかには、ぬきがたい中華思想がひそんでいる。中華思想というのは、文字どおり自己の文化を基準にして世界をかんがえるという発想である。・・・中国においてもそうであるように、京都においても中華思想はけっして排他的ではない。その意味において京都中華思想は、ひとつのイデオロギーである。
- すべての日本文化は京都の文化が標準になっている。これにいかにかぎりなく接近するかというのが、日本のすべての文化の方向である。・・・現在でも依然として、京都は日本文化の心のふるさとであり、・・・回帰の原点が京都にある・・・一種の中華思想・・・。
日本の首都であった期間(上の横棒グラフ)を比べると、圧倒的に「京都が中華(中心)」ですね。
位置的には必ずしも「中華(中心)」とは言えない(ようですが)。
- 【私説】
- もの凄い思想で驚かされます。
- しかも京都人自身は「中華思想」だと思っていない、ところが凄い。
- なにも考えずに自然と「京都中華思想」になっている。
- 東京から京都へ引っ越してきて、住民異動票を区役所に提出しに行ったら、「地方からの転入ですか」と聞かれた。
- 同じ関西でも、大阪・神戸の人は東京に張り合っていて「こっちのが凄いんや」といった行動言動が多いが、京都の人は東京を比較の対象にしていない、歯牙にもかけていない。
- 「東京ではそうなのですか」と言うだけで、「京都では云々」とは言わない(反論しない、張り合わない)。
- それでいて、行動はなにも変えないで京都風を貫いている。
- まあ、1200年の歴史ですかね。
- 排他的でない(暖簾に腕押し的な)ところが救われます。
- もう一人の知識人【梅原猛の寄稿文からの一部引用】
- H16年1月1日の「市民しんぶん」に寄稿されたものからの引用です。
- 私(梅原猛)は昭和26年に結婚し、それ以来あまり郷里へは帰らず、完全に京都の人になった。・・・京都に来て、京都のおかげをもろに被っている。・・・日本の文化を研究するには、京都という土地は・・・はるかに地の利を得ている。私の梅原古代学、梅原日本学という学問はまったく京都のおかげであると思っている。・・・京都へ来て本当によかったと私は思う。
- 根っからの京都人でなくても、京都に長く住むようになると、その人にも京都中華思想が根付くようです。
- このへんに「京都中華思想」の謎、「京都中華思想」菌感染の原因を解く鍵がありそうです。
- 【川柳】
- 京都人 京都以外は 地方と言い
- 京都中華思想 どおりでラーメン 屋も多い