(東京から引っ越してきた人の作った京都小事典)

助数詞の時代変化           (INDEX:索引へ)


豆腐は「一丁、二丁」、紙は「1枚、2枚」と数える。「数量を表す語の下に付ける語」のことを助数詞と言う。

最近の若者はなんでも「1個、2個」と数える。『助数詞も時代と共に変化』しているようです。その状況を追ってみた。
「助数詞」に関する論文・著作は多いが、「助数詞の時代変化」の研究は少ないようです。私の拙い調査では「全助数詞の全時代変化」を捉えることはできません。「ほんの概要」でお容赦ください。
なお本ページは正しい助数詞を使おうという活動ではありません

(注)もっとこんな助数詞もあるよ(例:神=座)という声が聞こえそうですが、「変化の大きな流れ」に着目しているので、(失礼)細かな助数詞については、かなり省略しています。これもご容赦ください。
    奈良時代・平安時代前期    平安時代中期から    現代では    情報化社会では    (助数詞の雑学)助数詞一般    英語の助数詞    立場が変われば
助数詞対象備考助数詞対象備考助数詞対象備考
住居、世帯か「さと」と読んでいたらしい弓矢、斧、仏像「仏像」も道具扱いだったか褌、裳着るものに多い
(現在とまったく同じ)臣、民、僧侶俘虜なども日本人は「人」で数える
匹・疋馬、駱駝(現代の日本)馬は「頭」韓奴、高麗奴、奴婢奴婢は口の数で数える、「新羅人」は(奴・俘虜でなくても)「口」で数える
鹿、牛、犬西域では駱駝を「頭」で数える刀、弓矢入れ人が使う器物は「口」で数えた
「履物」のこと左右両方で一つ使者「従」扱いで「人」ではなかった(現在のように)「管」の語も時に見られる
桑、棗、漆大きな根のある)樹木を数える祓物を置く台(現在と似ている)船、白鳥水に浮かぶものは「隻」で数える

住居・世帯(一戸と数える)仏像(二具→→(今は)二体)
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この時代「戸が一つ」=「一住宅」=「一世帯」「具」→「躯」→「躰」→「体」(現在)と変化
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助数詞対象備考助数詞対象備考助数詞対象備考
建屋、倉倉の数を数える(日葡辞書に)Ichiuaとある(当時の発音がわかる)仏像以前の「躯(く)」から変化
柱(はしら)訓読みの助数詞も登場俵に入れたもの(麦)漢字を(日本独特の)簡略化流れ仮名文字のある助数詞
「き」と読む(今でも稀には)(日本的に)「振る」動作から鉄砲古代「挺」は鉄、伝来以降「鉄砲」に
匹・疋馬、兎犬、猫も喉(こう)大きな魚「魚」も水に浮かぶので「隻」(呉音でシャク)→同じ読みで簡単な「尺」→大きな魚は喉が見えるので「喉」
鹿、牛犬は「匹・疋」に古代「籠」単位に数え→中世高価になって「穀」単位に数えるように=「穀」の形が「盃」に似ている

倉庫(訓読みの助数詞)
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「三宇」の酒蔵が立ち並ぶ伏見この神社には「四柱の神」を祀っている
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