(東京から引っ越してきた人の作った京都小事典)
除夜の鐘
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京都には坊さんだけでなく一般の人にも
除夜の鐘を撞かせて頂けるお寺が多い
。
寒いですが、新年を新たな気持ちで迎えるために除夜の鐘を撞くのもいいものです。是非お試しあれ。
【新明解国語辞典第四版】
明解な記述がない。
「広辞苑第四版」には次のようにある。
除夜の夜半、正子
(ね)
の刻
(12時)
に諸方の寺々で、百八煩悩を除去する意を寓して百八撞く鐘(
梵鐘
)。
Webサイト「
日本文化いろは事典
」にはもっと詳しく記述されている。
年越しの夜のことを「除夜」ともいい、かつては、除夜は年神を迎えるために一晩中起きている習わしがあり、この夜に早く寝ると白髪になるとか、皴が寄るとかいった俗信がありました。
31日の夜ふけに全国のお寺でならされる108つの鐘を「除夜の鐘」といいます。108とは仏教思想に基づく百八煩悩を意味しています。煩悩とは「心を惑わし、身を悩ませる」一切の精神作用を言います。鐘をつくことで、これらの煩悩を一つ一つ取り除いて清らかな心で正月を迎えようとしたわけです。また、108回のうち最後の一回は年が明けてから突き、今年一年煩悩に惑わされないようにとしているそうです。
「新明解国語辞典第四版」は「煩悩」について次のように記述している。
(仏教修行・精神安静のじゃまとなる)
一切の欲望・執着や、怒り・ねたみなど。
黒谷(金戒光明寺)の「除夜の鐘」
知恩院の「大鐘楼」
京都タワーなどの町の灯を見ながら撞きます。鐘楼はライトアップされています。
中の「釣鐘」は
寛永13年(1636)
製作、約70トン。大晦日にTV中継されます。
【私説】
大晦日も押し詰まると
京都市内ではあちこちのお寺で除夜の鐘が鳴る
。特に洛東には除夜の鐘を撞くお寺が多いので、いろいろな音色の鐘が合奏しているかの如くである。
やはり大きな鐘は音色も重々しい。その代表が知恩院さんですが、一般の人は撞かせてもらえない。
108つの撞き方もお寺さんによって異なる
。
ちょうど108つしか撞かないお寺。
いくつかはお坊さんが撞くので、一般の人はその分だけ少なくなる。
このようなお寺は、多くの場合、4人
(程度)
1組で1回ずつ撞くことになる。
先着順、または先着整理券制になっている。整理券の場合は、当日のみ受け付けるお寺と12月始めから受け付けるお寺とがある。要注意。
真如堂、黒谷、方広寺、南禅寺、高台寺。
108つを複数セット撞くお寺。
希望者がいる限り撞かせて頂ける。
このようなお寺は、1人で撞かせて頂ける
(ところが多い)
。
希望者がいなくなると、お坊さんが残りのセットが108つになるまで撞く
(これをサボるお寺さんもある、撞きっぱなしという感じ)
。
法然院、永観堂。
甘酒の接待のあるお寺さんもある。寒さに心まで温まる。
京都市内で除夜の鐘の撞けるお寺については、「
京都モール
」サイトなどに詳しい。
【川柳】
寺多く 煩悩の鐘が 競い合う
105番 この煩悩は とれたかな
3つめの 煩悩とるため 行列し