(東京から引っ越してきた人の作った京都小事典)
京ことば
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京都のことばも独特なものがある(全国各地同様)。私は耳がよくないので、いまだに理解できていないのですが、いくつか気になります。
気になる部分を「少し体系的に」まとめてみました。まだまだ不充分ですが。
(謝辞)まとめるにあたって、京都の史跡を訪ねる会の「京ことばまめ辞典」を参考にさせていただきました。
- 【私説】
- 全体的にはのんびり、おっとりした感じを受けます。東京のようにまくし立てない。
- へえ、そうどすか。ほな、ちょっと待っとくれやっしゃ。
- 何いうたはりますのや。あての小さい時分には鴨川にようけ蛍がいましたんえ。
- 丁寧な感じがする。やたらと「お」を付ける。
- おだいなど、食べとおきやす。
- おつかいに行っておくれやすか。
| 出掛ける時は「長音+おつけ」で声を掛けてくれる |
- 【1音母音伸ばし】
- 1音節からなる語の母音は必ず伸ばす。ひらがなで書かないと説明できない。
- 気(きー)つけておいでやっしゃ。
- 早(はよ)、戸(とお)閉めてんか。
- 「1音母音伸ばし」と次の「助詞省略」は関連している、と思う。
- 1音母音伸ばしするから、助詞を挟みにくくなる。
- 逆に助詞を使わないで済むように、1音母音伸ばしをしているのではないか。
- 物事をはっきり言いたくないとき、助詞を省くと、なんとなく曖昧にできる。これが京ことばの根源と考えています。
- 【助詞省略】
- 目的語・補語に掛かる助詞は省略されることが多い。上の例もそうなっている。。
- 気(きー)「を」つけておいでやっしゃ、とはならない。
- 早(はよ)う、戸(とお)「を」閉めてんか、とはならない。
- 大体想像できそうな助詞も省略される。これも自分からは言質を与えない手段か。
- 【お】(丁寧語、または敬語)
- 接頭語の「お」。名詞に付ける。さらに名詞の末尾を略したり、「さん」を付けたりする。
- 大根は、おだい。昆布は、おこぶ。かぼちゃは、おかぼ。座布団は、おざぶ。枕は、おまく。
- 豆は、おまめさん。東本願寺は、おひがしさん。
- 動詞にも「お」を付けて「お・・・やす」という表現も多い。
- 入ってくださいは、おはいりやす。
- 座ってくださいは、おかけやす。
- その他、東京人にはわかりにくい表現(挙げだすときりがないので、少しだけ)
- 「おいやす」 おられる。例:おっさん、おいやすか。
- 「おきばりやす」 仕事に出かける人への挨拶。仕事を頑張ってくださいの意。
- 「おしまいやす」 こんばんはの挨拶。なにか物を片付けなさいの意ではない。
- 「おっさん」 お坊さんのことです。相手構わず「おっさん」と言うと恥をかく。
- 「きんの」 昨日のこと。
- 【通好み】
- 「おいでやす」と「おこしやす」の使い分け
- ともに、いらっしゃいませの意。
- 「おいでやす」 通常のいらっしゃいませ、一見さんなどはこれ。こう挨拶された場合、長居はいけない。
- 「おこしやす」 心待ちにしていた人(お客)が来られたときに使う、歓迎の意がありあり。
- 「おこしやす」の関係になりたいものです。友達もお店も。
おこしやす | おいでやす |
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馴染みになれば、こう声を掛けられる。 | 普通の場合は、こうなる。 |