暦雑学の補足
- ミレニアム(millennium)
- 語源的にはラテン語で「千年間」という意味です。
- 最近の「新しいミレニアム」といった使い方の場合は『千年紀』と翻訳されます。
- 次のミレニアムがいつ始まるか各種主張がありますが
- キリスト教圏では「2000年1月1日を新しいミレニアムの始まり」としています。
- 2000年1月1日に始まるのが「第2」千年紀なのか「第3」千年紀なのかは議論の分かれるところらしい。
- 聖書では『至福千年』と翻訳されています。
- これは、ハルマゲドンの戦いで反キリスト勢力とその軍隊が滅ぼされた後、神の愛によって世界が支配され平和と豊かさの地上の楽園が千年間続くというものです。
- この二つは別のもので、2000年1月1日に至福千年が始まるということではありません。
- 世紀(century)
- 一般的には、西暦の「百年間」という意味です。
- 21世紀は2001年1月1日に始まり、1世紀は1年1月1日を始まりとしている。
- お陰で、1992年は20世紀
- 2000年も20世紀
- 0年1月1日を0世紀の始まりとすれば西暦と世紀の換算は簡単になった。
- イエスの生年月日
- 聖書には「キリストはヘロデ王の治世に生れた」とある(マタイ伝)。ヘロデは西暦前4年に死んでいるので、キリストはそれ以前に生れていなければならない。
- キリスト降誕のとき「東方の博士たちが星に導かれていくと、キリストの生れたところで止まった」とある。この星“ベツレヘムの星”は「土星(イスラエルの守護星)と木星(好運の星)が魚座に入ったため明るく見えた」いう有名な論証がある。その説に従うと、キリストは西暦前7年の生れとなる。
- 一方「マリアは、ヨゼフとともに人口調査のためにベツレヘムへ来て馬小屋でキリストを生んだ」(ルカ伝)とあるが、この人口調査は西暦前7年頃の皇帝アウグストゥスによるものと、西暦6年頃のシリア総督によるものとの2つの解釈があり、命令の届く時間を考えると、西暦前5年頃か、西暦7年頃のどちらかということになる。
- 結局 ... 「真実の生誕年は西暦前4年頃」というのが定説となっている。
- 聖書に従えば、天使ガブリエルがマリアのお腹に神の子が宿ったことを告げたのは3月25日「受胎告知の日」であり、キリストはそれからちょうど9カ月経って生れた。したがって「キリストは12月25日に生れた」ということになり、この日がクリスマスになった。
- 一方、ルカ伝によれば野宿していた羊飼いたちが来て拝んだから「冬ではなく初夏のはずだ」という説もある。
- 置閏法
- 第1則
- 月は新月の日から始まる。
- 冬至を含む月は必ず11月と呼ぶ。
- 春分:2月、夏至:5月、秋分:8月に含まれるようにする。
- 第2則
- x月とy月の間に2回の新月がある場合、その間には閏月は存在させない。
- x月とy月の間に3回の新月がある場合、(1月足りなくなるので)その間には閏月が存在させることとし
- x月の翌月から順に中気の存在を調べていき、最初に見付かった中気のない月を閏月とする。
- 閏月の月名は、前の月の月名の前に「閏」を付ける。
- 中気
- 月中に太陽の黄経が30で 割り切れる値になる時があれば、その月は中気を含む。
- 中気は、雨水、春分、穀雨、小満、夏至、大暑、処暑、秋分、霜降、小雪、冬至、大寒と呼ばれる。
- 六曜
- 室町時代に中国から伝えられた。
- 時刻の吉凶占い用であったが、次第に(なぜか?)日を占うものに変化した。
- 旧暦の月ごとにスタートする星「先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口」が決まっており、2日以降順に星を割り当てる。月末で順振りはクリアされる。
- 満月と十六夜
- 暦の明確でない時代、新月の判定も難しかったが、満月の判定もそう容易ではなかった。
- 最も満ちた月が満月(旧暦の十五夜)であるから、翌日に“欠け始めた”月を見て、はじめて「ああ昨日が満月だったのか」と判断するしかなかった。
- そこで満月の次の夜「十六夜」に関心が集まることになる。昔の人が十六夜を重要視したのはこの理由による。
- 源氏物語‐末摘花には「いさよひの月をかしきほどにおはしたり」とある。
- 十六夜は「いざよい」(古くは「いさよい」)と読まれる。なぜか?
- もともと「いざよい」とは「ためらうこと」「ためらっている状態」を指す言葉である。
- 十六夜の月は「欠け始めたのか、まだ欠けていないのか」判断を“ためらう”ような月であることから「いざよいの月」と読まれるようになった(この他に「昨日よりもっと満ちた月を待っていると、昨日よりやや遅く“ためらう”ように少し欠けた月が出てくるから」との説もある)。
- 十六夜の月には「既望の月」との別名もある。いかにも情緒のある命名ですね。
- 源氏物語‐葵には「かのいさよひのさやかならざりし秋の事など」とある。