(東京から引っ越してきた人の作った京都小事典)
塔頭
(INDEX:索引へ)
京都の「お寺」情報を整理していて、ふと「塔頭」とは何か、が気になった。
- 「塔頭」とは
- 【広辞苑第六版】
- 禅宗で、高僧の塔があるところ。また、その塔をつかさどる僧。
- 転じて、一山内にある小寺院。大寺に所属する別坊。寺中。子院。わきでら。
- 【新明解国語辞典第四版】
- 高僧の墓所に建てられた塔(を守る、小さな庵)。
- 本寺の境内にある小寺(建物)。
- 【私説1】
- (2つ辞書共通で)「語源的」には「1」で良いと思う。
- 概ね「2の定義」が「直感的な塔頭」に合致すると思う。
- しかし現実には境外塔頭もあり、「境内にある」とか「山内にある」とは決めつけられない。
- 一方、「末寺」(まつじ)という言葉もあって
- 【広辞苑第六版】
- 【新明解国語辞典第四版】
- 「子院」(広辞苑:本寺に属する寺院)との区別が難しい(広辞苑:区別を明確にしていない)。
- 「子院」は(一般に)本寺の寺域内にある。場所だけを見れば「塔頭」に似ている。塔頭とは創建経緯が異なる(のか)。
- 「末寺」は本寺から遠く離れていることもある。
- 実際に、お寺の「公式サイト」を見てみると
- 建仁寺は「すべての『塔頭』」を紹介している。
- 万福寺は「塔頭」も区別せず『末寺』として紹介している。
- 南禅寺も佛光寺も「塔頭」も含めて『自派の寺院』としてまとめている。
- 清水寺は「塔頭」を公表していない。
- 【私説2】
- 創建当時と現在では「境内」の範囲が異なる。一般に「創建当時の方が広かった」。
- ということで当時の本寺の境内に創建された小寺を塔頭と定義したい。
- 多くの「塔頭」は高僧のために創建されている。
- 「創建当時の境内の範囲」は「私の個人的な判断」に基づくもので、お許し願いたい。