東山三十六峰に関する統計
(INDEX:東山三十六峰一覧へ)
すべての山(三十六峰)が特定できれば、統計分析ができます。
- 標高(山の高さ)
- 平均標高は211m。勿論最高峰は比叡山で848m。最も低いのは双林寺山(これを山と呼べるかは議論のあるところですが)で72m。
- 標高の分布をヒストグラムで示すとこのグラフのようになる。
- 比叡山だけがダントツに高いので(2番目に高い如意ヶ岳ですら465m)これを含めるとヒストグラムにならないので比叡山を除いてヒストグラム化した。
- このヒストグラムで分析すれば137m〜203m帯が最も多く(17山)、ほとんどが270m未満(31山)である。正規分布にならず、左(低い方)に偏った分布になっている。
- 一言で言えば「低山の連峰」と言える。
- 峰の特定(「各項目の説明」を参照)
- 国土地理院・その他の資料から特定できる山が約半分(19峰)。
- 逆に半分近くの山はやむなく私が独断で特定したことになる。山頂の特定は難しい。
三角点で特定した山 | 3 | 比叡山、如意ヶ岳、清水山 |
標高点で特定した山 | 11 | 瓜生山、神明山、華頂山、阿弥陀ヶ峰、稲荷山など |
種本から特定した山 | 5 | 北白川山、紫雲山、椿ヶ峰、若王子山など |
私が独自に特定した山 | 17 | 修学院山、高台寺山、霊山、恵日山など |
- 緯度、経度
- 原則的に山の「番号」は市街から見て北から順番に付いている。ところが山の見え方は、標高と位置(緯度・経度)の関係に依存する。
- したがって「番号」が緯度順になっていない峰が3グループある。
- (6)一乗寺山/(8)瓜生山/(7)茶山
- (9)北白川山/(12)吉田山/(10)月待山/(14)善気山/(11)如意ヶ岳/(13)紫雲山
- (20)粟田山/(22)円山/(23)長楽寺山/(21)華頂山
- 最高点(「各項目の説明」を参照)
- 峰の近辺に「より高い場所」がある峰は7つある。
- 数値地図に「より高い標高」がある:御生山、吉田山、南禅寺山、清水山の4つ。
- こういう事象は通常起こり得ない(数値地図は中央点の標高を表しているので、通常は数値地図の方が低い値を示す)。どちらかの測定誤差か、測定時期の違いによる標高差か?
- 他の地形図に「より高い標高」がある:赤山、1つ。
- 地形図によって異なる、ということ。測定時期の違いによる標高差か? 最新の地形図を採用した。
- 地形図に「より高い標高」がある:紫雲山、善気山の2つ。
- 山頂の条件・山頂を特定する建物などから山頂を特定する場合、山頂の地点と地図上の最高点(例えば標高点)とが異なる。
- GPSによる測定(「各項目の説明」を参照)
- 予想以上にGPSの精度は高い(0.3〜0.4秒程度)。
- 特定した緯度・経度(地形図、カシミール)と1秒近く差のある山は9つある。
- 差の原因がはっきりしている:華頂山、今熊野山の2つ。
- GPS測定点と山頂が異なる。これは差があっても仕方がない。
- 原因不明:修学院山、紫雲山、円山、双林寺山、清水山、清閑寺山、光明峰の7つ。
- 測定時の測定条件が悪かったか? そもそも山頂の緯度・経度を地形図から読み取る際に誤差があったか? が考えられる(その両方ということもありうる)。
- 再測定、再読み取りを試みて、今後合わせていく努力が必要となる。
- 読み
- 読みも難しい。悩んだのは7つ。
- 山名自体が難しい:御生山1つ。
- ヤマ、サン、ザン、セン、ゼンか:瓜生山、華頂山、霊山、恵日山の4つ。
- これは本質的な難しさのようだ。2万5千分の1地形図に山名として記載されている名称は2001年8月現在、1万6627山ある。このうち何々山と「山」の文字で終わる名称は1万2420山。その「山」の読み方について各市町村役場に問い合わせた結果、ヤマ:1万237山、サン:1346山、ザン:785山、セン:41山、ゼン:10山、ダン:1山になった、ということ。
- 国土地理院の原則は「現地現称主義」(現在地元民がどう呼んでいるかを重視する)で「正式名称という表現すら避けている」ので読みにルールはないということになる。
- タケかダケか:如意ヶ岳1つ。
- ホウかミネか:光明峰の1つ。
- 関連仏閣神社
- 関連する仏閣神社がない:茶山1つ。
- 東山三十六峰の姿を形成するために加えられたと思われる。
- 現在関連する仏閣神社は残っていないが、昔の信仰・民間習俗に関係する:瓜生山、如意ヶ岳、大日山の3つ。
- 結局のところ、ほとんどの「三十六峰」は仏閣神社に結びついており「東山三十六峰は信仰の山々」と言える。
- 独断評価(登頂のできない赤山、泉山を除く)
- 発見難易度の平均値は2.9。ちょうど中間点になっている。
- 登頂体力度の平均値は2.7。軽装ハイキング(3点)よりやさしい山が多い。
- 頂上眺望度の平均値は1.9。眺望の効かない山が多い。東山三十六峰は市街から見る山で、登る山ではないということか。
- 山行愉悦度の平均値は2.6。
- 山行愉悦度5点の山:瓜生山、如意ヶ岳、神明山の3つ。
- 山行愉悦度4点の山:御生山、修学院山、華頂山、清水山の4つ。
- これらの山はハイキングに向いている。
- 総合点の分布をヒストグラムで示すとこのグラフのようになる。
- 私の性格を反映してか(?)、極端に良い点の山も悪い山も少なく、中央に(2.35〜2.85)集中している。尖りの鋭角な正規分布となった。
- 総合点の高い順に並べると、如意ヶ岳、瓜生山、華頂山、神明山となる。
- 総合点の低い順に並べると、葉山、清閑寺山、今熊野山、東大谷山となる。
- 登山ルート
- 東山三十六峰の近傍に設けられている代表的なハイキングコースが東山トレイルである。
- この東山トレイルに含まれている:瓜生山、神明山の2つ。
- この東山トレイルがごく側を通っている:華頂山、清水山の2つ。
- 私の選定した「東山三十六峰」
- これまでも「東山三十六峰」選定について私なりの疑義を述べてきたが、ここで取捨選択をして私なりの「東山三十六峰」を選定した。
- 捨てたのが次の2つ。
- あまりにも南禅寺山に近すぎる『若王子山』
- 今は特定すべき山がない『双林寺山』
- 選んだのが次の2つ。
- 修学院山の南に三角点を持つ『てん子山』
- 銀閣寺の背後に並ぶ三峰の最北峰で有名な城郭のあった『中尾山』
- 両方とも「関連仏閣神社」を持たないのが残念ではあるが「東山連峰」としてはこれらを選ぶのが相応しいと思う。
- さらに「山名」を変えたのが次の5つ。
- 「御生山」は、御蔭通に敬意を表して『御蔭山』とした。
- 「北白川山」は、勝軍地蔵堂に敬意を表して名前を復活させ『勝軍山』とした。
- 東山三十六峰の「如意ヶ岳」は国土地理院の如意ヶ岳ではないので、一般的呼称である『大文字山』とした。
- 「大日山」も紛らわしいので、昔の峰の名前を復活させ『観勝寺山』とした。
- 「今熊野山」も、昔の名前に復活させ『新熊野山』とした。
- 結果は「私の選定した東山三十六峰」にまとめました。