(東京から引っ越してきた人の作った京都小事典)
地蔵盆
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京都の町々で続いている「町ぐるみのお祭り」である。
これをサボると1年間町の人に冷たい眼で見られ続けることになる。それほど重要視されている。
- 【梅棹事典からの一部引用】
- これは京都の子どものお祭りである。京都の各町にはどこかにかならずお地蔵さんがまつってある。・・・町にはかならずひとつはちいさな地蔵堂があって、水やおそなえが毎日たえない。8月22日から2日間、地蔵盆はおこなわれる。・・・相互不介入主義をとる京都市民も、この日ばかりは、子どものために場所を開放し、さまざまなもよおしがある。・・・地蔵盆は、江戸時代からつづく京都独自の子どもの日である。この行事は現在もおとろえるどころか、ますます隆盛にむかっている。
- 【私説】
- まったくそのとおりで、私の町の最大の年間行事になっている。他の行事は許されてもこの地蔵盆だけは不参加が許されない。
- 下の写真を見てわかるように、立派なお地蔵さんがあるから、これを守り抜こうということかもしれない。それほど立派なお地蔵さんと塔碑である。
- 毎日の掃除、お盆のときのお色直しで、いつも綺麗に保たれている。
- 近所の子供の数は減ったとはいえ、大人は子供に遊んでもらえるよう、いろいろな遊びごとを用意して待っている。
- 私の拙い調べによると次のようになる。
- 地蔵供養は、地蔵信仰と盂蘭盆(うらぼん)の行事が結びついて行われるようになった民間習俗で、一般には地蔵盆と呼ばれる。
- 盂蘭盆会には、三界萬霊を供養する。
- 三界萬霊等(さんかいばんれいとう)は、「三界」(「欲界」「色界」「無色界」(死後の無の世界)、転じて「現在」「過去」「未来」)を流転する霊を供養する目的で建てられた塔碑。
- 17世紀半ばに出現。初めは念仏講によるもので念仏僧や行者による建立が多い。18世紀以降は、個人や禅宗系寺院の僧が施主になることが多くなった。
- お地蔵さんの縁日が24日であることから、本来は8月23、24日の2日間行われていた(縁日を23日とする地方もあるらしいが、京都は間違いなく24日なので、梅棹事典は少しおかしいか)。ところが最近では(大人の都合か)8月23、24日前後の土日に行われるところが多くなってきた。
銘文は、お決まりの「三界萬霊等」(「等」は「塔」の旧字(当て字か))とある。
脇には「聖誉上人」「善誉上人」「威誉上人」「超誉上人」の名がある。
- 【川柳】
- ビール片手 子待つ大人の 地蔵盆
- 地蔵盆 子招く無人の 輪投げ台