5.猿丸大夫

さるまるたいふ 上の句順 下の句順 (INDEX)


おくやまに  もみちふみわけ  なくしかの  こゑきくときそ  あきはかなしき
おくやまに 紅葉踏分 なく鹿の 声きくときぞ あきは悲しき
奥山に 紅葉踏み分け 鳴く鹿の 声聞くときぞ 秋は悲しき

■類似語句  おくやまに・なく鹿

■歌について
古今集に読み人知らずとある。さらに「猿丸大夫集」という古歌集に見られる。「黄葉踏分」とする集もある。秋山の寂寥感を詠った歌。
■出典
古今集秋
■作者略歴
生没年・伝未詳。光孝天皇の頃(884?)の人。井沢元彦の「猿丸幻視行」に引用されておもしろい。
生没年・伝未詳の人のわりには、京都宇治田原に猿丸大夫を祭神とする「猿丸神社」がある。