(東京から引っ越してきた人の作った京都小事典)
東山通と東大路通
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東山通と東大路通はどう使い分けているのか?
どうやら軽く言いたいときは「東山通」、きちんと言うときは「東大路通」というケースが多いように思われる。なお不明ですが。
- 京都市の【観光文化情報システム】には次のようにある。
- 東大路通は京都市街地東部の南北路。北は北大路通から南は九条通までで、東山通とも呼ばれる。この通り沿いには、神社仏閣をはじめ博物館、美術館などがつらなり、散策の好適地としても知られる。東山三十六峰の景観美とあわせ、四季を問わず観光客で賑わっている。
交差点は 東山近衛
通り名は 東大路通 と 近衛通
- 【私説】
- 京都市はまったくの別称と言っているが、どうも状況に応じて使い分けている“フシ”がある。完全に解明し切れてはいませんが、いくつかの実証を示します。
- 京都式住所表示(上ル下ル入ル)では、圧倒的に「東大路」が多い。
- 京都市東山区五条通東大路西入ル北側など
- といっても絶対に「東大路」ではなく、数は少ないが「東山」を使っている例(東山区新門通東山西入ル)もないことはない。
- 住所表示(管轄は旧自治省)は原則「東大路」派。
- 京都市バスは「東山」派。
- バスの行き先は「東山通方面」となっている。
- バス停もすべて「東山」。東山二条、東山仁王門、東山三条、東山安井、東山七条。
- 信号機標識(正確には国土交通省が管轄する「道路標識」の中の「案内標識」の中の「地点案内」で信号機に取り付けられているもの)も「東山」となっている。
- しかし、通りには「東大路通」という「道路の通称名」という「案内標識」が掛かっている(これも国土交通省の管轄)から、ややこしい。
- 国土交通省の管轄といっても、実際は地方自治体(この場合は京都府(市))に任されているから、京都のはんなりした感覚で両者共存が選ばれているのかもしれない。
- 三条から南では「東山通」、北では「東大路通」という説もある。
- そもそも「東大路」は京都の町の外側であったから近代になってからの呼称である。
- 昔からの呼び名(「東山」)が馴染むのは、昔から町があった地域、すなわち三条から南、というのがその根拠。
- 【留意】
- “通”を略して「東山」というと、“通り”ではなく、本当の東山の麓の地域(東山地区)や本当の山(東山三十六峰)を指すことが多いので、注意したい。
- 「西大路通」は絶対に「西山通」とは言わない。
- 「北大路通」と「北山通」は別物。「北山通」の方がもっと北にある。これも紛らわしい。
- 【通好み】
- 京都市民は「東山通」を使うことが多いように見える。
- 「東大路通」の範囲は、京都市観光文化情報システムの説明どおり。
- 説明どおり、東大路十条、東大路北山はない。
- しかし「東大路北大路」と呼ばれることはない。通称「高野」。京都では、お寺以外にも"通称"は蔓延っている。
- 蛇足ながら、西大路九条、西大路十条はある。
- 九条までとあるが、東大路九条はカーブしていて角がないためか「東大路九条」という表示は見あたらない。
- さらに蛇足ながら東西北はあるが「南大路通」「南山通」はない。
- 京都の東西北には「山」がある。
- 四つ辻で道に迷ったら、山を探すとよい。山のない方角が「南」である。
- 磁石を持たなくても方角がわかる。これも“京都人の知恵”。