(東京から引っ越してきた人の作った京都小事典)
通称寺
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京都の寺は、通常、正式名では呼ばれず、通称名で呼ばれます。
京都では、お寺以外にも"通称"は蔓延っています。地名などもその1つです。
京都の町・人に親近感を感じるようになるためにも、京都での会話では、できる限り“通称”を使いましょう。
- 【梅棹事典からの一部引用】
- 京都の名刹には正式の名称とちがうよび名でよばれる寺がかなりある。・・・黒谷(金戒光明寺)、猫寺(称念寺)とか、人形寺(宝鏡寺)とか・・・これは京都の日常生活と寺が、わかちがたくむすびついていたという証明である。京都での日常会話では、正式名ではよばれず、すべて通称名でよばれている。
- 世界遺産の「賀茂御祖神社」ですら、通常は正式名で呼ばれません。
当然「下鴨神社」と呼びます。
神社側の看板も、わざわざ『通称名』を併記しています。
- 【私説】
- これも実感しますね。正式名で聞くと、間違いなく怪訝な顔をされる。
- 「真如堂」はほとんど真正極楽寺と呼ばれることはない。「永観堂」を禅林寺というのは、絶対に京都の人ではない、通ぶった寺マニアくらいであろう。
- 通称寺については「愛称・通称・旧称・寺院名簿」(http://kame.rakusaba.jp/siryou/teraKyo.txt)が詳しく、かつ信頼できたのですが、最近リンクが切れました。過去にDownloadしたデータをpdfにしました(こちらのpdfを参照ください)。
- これを見ると、こんなにもあるものかと驚かされます(14ページあります)。
- 「本願寺」も、正式名称「真宗大谷派」は「お東さん」(東本願寺)、「浄土真宗本願寺派」は「お西さん」(西本願寺)と呼ばれている。
- お寺以外にも"通称"は使われます。
- 地名もその1つ。
- 市(Market)も通称で呼ばれる。
- 単に“錦”と言えば「錦小路」のことではなく、「錦市場」を指す。
- 毎月21日に開かれる東寺境内の露天市(骨董品が多く)は「弘法さん」と呼ばれるし、毎月25日に開かれる北野天満宮の露天市(古着が多い)は「天神さん」と呼ばれる。
- 【通好み】
- 京都での会話では、できる限り“通称”を使いましょう。
- 京都の町にも、京都の人にも、親近感を感じるようになります。
- いろいろなことを覚えることができます。