30.壬生忠岑
みふの ただみね 上の句順 下の句順
(INDEX)
ありあけの |
つれなくみえし |
わかれより |
あかつきはかり |
うきものはなし |
有明の |
つれなくみえし |
別れより |
暁ばかり |
うきものはなし |
有明の |
つれなく見えし |
別れより |
暁ばかり |
憂きものはなし |
- ■歌について
- 有明の月(十五夜以降の月)がそ知らぬ顔をして出ている。逢えぬ日が続くこの月の出る暁(夜明け直前)の頃が悲しい。
- ■出典
- 古今集恋三
- ■作者略歴
- 生没年未詳。壬生という姓は天足彦国押人の家系。和泉大将の藤原定国の随臣を始め卑官(摂津権大目)を歴任。延喜(901)年中、禁中の歌合でこの歌を詠い、古今集の撰者に抜擢された。後鳥羽院に求められて、定家・家隆は、この歌が随一と評した。
- 【補】
- 壬生忠岑は月の桂の歌を詠んでいる。
- 壬生忠岑・壬生忠見父子は左京五条一坊七町(壬生寺周辺)に住んだ。