75.藤原基俊
上の句順 下の句順 (INDEX)
ちきりをきし |
させもかつゆを |
いのちにて |
あはれことしの |
あきもいぬめり |
契をきし |
させもが露を |
命にて |
あはれことしの |
秋もいぬめり |
契をきし |
させもが露を |
命にて |
あはれ今年の |
秋も往ぬめり |
- ■歌について
- 子供(光覚)の栄誉(興福寺維摩会の講師選定)を願って、それが報いられなかった(選に漏れる)悲嘆の気持ちを詠った。
- ■出典
- 千載集雑上
- ■作者略歴
- 1060ー1142。父は藤原俊家(右大臣)。名門の出に拘わらず、従五位上に止まる。才ありて歌をよく詠み、藤原俊成の師でもあったが、口を極めて謗ること疎漏の失多く、顕達しなかった。当時の歌人源俊頼とは常に争い、仲良くなかった。