93.鎌倉右大臣

源実朝 上の句順 下の句順 (INDEX)


よのなかは  つねにもかもな  なきさこく  あまのをふねの  つなてかなしも
世中は つねにもがもな なぎさ漕 あまのをぶねの 綱手かなしも
世の中は 常にもがもな 渚漕く あまの小舟の 綱手かなしも

■類似語句  漕ぐ・天の・舟
■友札 世中よ
■歌について
万葉と古今の二首を本歌にしているが、万葉の古風を感じさせる。「箱根路を 我が越えくれば 伊豆の海や 沖の小島に 波の寄る見ゆ」にも万葉調を感じる。
■出典
新勅撰集羇旅
■作者略歴
1192-1219。28才で甥の公暁に暗殺された。源頼朝の二男。第三代鎌倉将軍。
【補】
源実朝が京都に残したものは、鹿王院舎利殿に納められている「仏牙舎利」くらいか。
源実朝についてはこちらで簡単に触れた(一度も上洛していない)