(東京から引っ越してきた人の作った京都小事典:参考)

十六夜の旅物語           (INDEX:索引へ)


交通路」の中で十六夜日記に触れたが。しっかり読んだことが無かったので、再度読んで旅の部分のみ現代語訳を作ってみた。
旅の1日1日がしっかり書かれている稀有な紀行文(仮名文)です。新暦の弘安2年(1279)11月21日に旅に出た訳ですが、これを読むと当時の旅事情がわかる。

旅は4人(女主人公(安嘉門院四条、出家後「阿仏尼」)+その息子+手輿を持つ2人の従者)。主人公は、徒歩+手輿(に乗る)(時には)馬で、京都から鎌倉まで14日で行った。
宿(避難小屋のようなものまで含めれば)はあったようで、野宿などはしていない。食事については記述が無いので不明。盗賊などの話も出てこないので、旅そのものは安全であったろう。
旅の難所は「川、山」であった。1日単純平均30kmは歩いた(旅した)
(青色)=訳者が付け加えた補足、和歌の右側の「括弧付き文」も訳者の説明。   底本は「十六夜日記」(岩波文庫、黄140-1、 Virginia大学のLibraryから入手)

1日目(逢坂関/守山2日目彦根近くの小野3日目(不破関/笠縫4日目(一宮/下戸5日目(熱田/鳴海/八橋
6日目豊川近くの渡津7日目(浜名湖/浜松8日目(天竜川/見附9日目(小夜の中山/菊川10日目(大井川/手越
11日目(興津/清見潟12日目(富士川/伊豆国府13日目(箱根/酒匂14日目(鎌倉到着