38.右近

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わすらるる  みをはおもはす  ちかひてし  ひとのいのちの  をしくもあるかな
忘らるる 身をば思はず ちかひてし 人のいのちの をしくもあるかな
忘らるる 身をば思はず 誓ひてし 人の命の 惜しくもあるかな

■友札   わすれじの

■歌について
男に捨てられたにも拘わらず、その人に神罰があたって死ぬことがないように祈る歌。女の恋心の切なさに、定家は心が動かされた。
■出典
拾遺集恋四
■作者略歴
生没年未詳。醍醐天皇(897)穏子(やすこ)の女房。勅撰歌人でもある右近少将季縄の子であることから、右近と呼ばれる。藤原敦忠師輔朝忠源順らと交際があった。