54.儀同三司母
高階貴子 上の句順 下の句順
(INDEX)
わすれしの |
ゆくすえまては |
かたけれは |
けふをかきりの |
いのちともかな |
わすれじの |
行末迄は |
かたければ |
けふをかぎりの |
命ともがな |
忘れじの |
行末迄は |
かたければ |
今日を限りの |
命ともがな |
- ■歌について
- 若き頃の道隆と恋しあっているときの歌。男の心の変わる憂き目を見るよりは、変わらぬ先に死んだ方がましだ、と詠っている。
- ■出典
- 新古今集恋三
- ■作者略歴
- ?-996。高階成忠の娘。関白藤原道隆の妻となり、伊周、定子(中宮)を産んだ。儀同三司とは伊周のこと。伊周が官を復されて准大臣になったとき、唐の官名儀同三司と号したのに始まる。