65.相模

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うらみわひ  ほさぬそてたに  あるものを  こひにくちなん  なこそおしけれ
恨みわび ほさぬ袖だに ある物を 恋にくちなん 名こそおしけれ
恨みわび ほさぬ袖だに ある物を 恋に朽ちなん 名こそ惜しけれ

■類似語句  名こそおしけれ

■歌について
後冷泉院の永承六年(1051)内裏の歌合での歌。勿論勝ち歌。
■出典
後拾遺集恋四
■作者略歴
生没年未詳。酒呑童子を退治した源頼光の娘。相模守大江公資の妻となり、相模と呼ばれる。夫の死後、藤原定頼を初め多くの男と浮き名を流した。恋多き女としても有名。順徳院によれば、赤染衛門、紫式部、相模が女流歌人の高峰と評されている。
【補】
相模の父源頼光和泉式部の初恋の人
藤原定頼と浮き名を流したのは(作者略歴に記したように)夫・大江公資の死後ではなく、離縁前。
「恋の和歌」は多く詠っているが、有名と言われるほどには「恋多き女」ではなかった

  • 最近の研究による「作者略歴」