（東京から引っ越してきた人の作った京都小事典）

岡崎 　　　　　　　　　　(INDEX：索引へ)

• 岡崎自治連合会
  • 岡崎学区の住民組織である岡崎自治連合会はその他組織と協力して京都岡崎コンシェルジュというＨＰを発信している。
  • その中で岡崎エリアを下の図のように定めている。
    
    
  • 直観的な決め方で、多くの人は「まあそうだろうな」と納得しそうだが、根拠不明の感を拭えない。
    • 観光客向きか。

岡崎エリア（京都岡崎コンシェルジュ）	岡崎を冠する町の範囲（Google）	岡崎中学校区の範囲（教育委員会）
根拠はないが、観光客には良さそう	根拠は明確だが、やや狭い感じがする	教育委員会に頼り過ぎ、文化を感じない範囲設定になっている

• 歴史的には
  • １３世紀末に編集された歴史書「百練抄」に岡崎の地名が見られる。
    • 「神楽岡（吉田山の麓）、栗原岡（黒谷、真如堂）」の南先端に当たることから、岡崎（岡の先（崎））と名付けられた（とも言われている）。
    
    
  • 確実な所では江戸時代「元禄(1688〜)」の頃には岡崎村があった（境界が不明なので地図で図示できない）。
    • 近くには「粟田口村、鹿ケ谷村、浄土寺村」があり、
    • 少し離れたところに「吉田村、白川村」があった。
    
    
  • 狭くはこの「岡崎村」が現在の「岡崎」にあたる、と考えるのは妥当と思われる。
  • 広くは「岡崎村、粟田口村、鹿ケ谷村、浄土寺村」が現在の「岡崎」にあたる、と考えるか。
  
  

• 町名（住所）からの推察
  • 京都の町名には地区のような冠を付けた町名が多い。当然岡崎を冠する町もある。
    • 岡崎入江町を始めとして（以下、冠の岡崎を省いて）
    • 円勝寺町、北御所町、最勝寺町、真如堂前町、成勝寺町、天王町、徳成町、西天王町、西福ノ川町、東天王町、東福ノ川町、法勝寺町、南御所町
    • で、１４町ある。
  • これらは明治初期の愛宕郡岡崎村（上述の「狭い捉え方」に相当する）である。
  • この範囲を図示すると、上の図のようになる。
    
    
  • 根拠は明確だが、やや狭い感じがする。

• 学区（教育委員会）からの推察
  • 現在は「小学校、中学校」ごとにそれぞれの「通学区域」が定められている（全国共通）。それらを小学校区、中学校区と呼ぶ。
    • 京都の学区（元学区）については番組小学校にまとめた。勿論、この中に岡崎は無い。
  • この中の岡崎中学校区が「岡崎」に当たるか。
  • この範囲を図示すると、上の図のようになる。
    
    
  • 生徒数の分布均等化が意識され過ぎていて、岡崎中と近衛中の境が硬直的。非文化的に見える。
    
    

    六勝寺の位置	尊勝寺跡の碑	法勝寺跡の碑
    すべて岡崎を冠する町の範囲に入る	「平安神宮の西側道東竹屋町上ル」にある （参考）石碑（２）	「白河院」（現二条通南禅寺道西入ル）に法勝寺は建立された（参考）石碑、遺跡（瓦）

• どれも決め手がない。そこで【蛇足】
  • この岡崎地区が歴史的に脚光を浴びたのは白河上皇の院政期（１１〜１２世紀）。
    • 白河（岡崎ではない）と呼ばれる地に六勝寺（６個の巨大寺院）が建てられた（その後、保元・平治の乱、応仁の乱などで破壊された）。
    • その位置を図示すると上の図のようになる（全体図は下に示す）。
  • 「六勝寺の位置」の補足
    • 「赤丸に塔」（法勝寺の中）は、高さ約８０ｍの八角九重塔のあったところ。

• （参考）院政時代の白河
  • 必ずしも「正確」ではないが、わかる範囲で、「地図」を作成してみた。

    	六勝寺 　　法勝寺：承保２年(1075)、72白河造営 　　尊勝寺：康和４年(1102)、73堀河造営 　　最勝寺：元永元年(1118)、74鳥羽造営 　　円勝寺：大治３年(1128)、待賢門院造営 　　成勝寺：保延５年(1139)、75崇徳造営 　　延勝寺：久安５年(1149)、76近衛造営
    南北の通り名は「現在の通り名」 （東西通り名）は「平安京の通り名」の延長線上にあることを示す 「金剛勝院」と「白河押小路殿」はもう「１ブロック南」という説もある

  • （補足）
    • 白河南殿：嘉保２年(1095)、白河上皇造営。白河地区で法勝寺に次いで造られた
    • 蓮華蔵院：永久２年(1114)、白河上皇造営。白河南殿の中の阿弥陀堂の跡に造られた（上の図では省略）
    • 白河北殿：元永元年(1118)、白河上皇造営。保元元年(1156)崇徳上皇が遷り住んだ
    • 得長寿院：天承２年(1132)、鳥羽上皇が「内昇殿が許された平忠盛」（清盛の父）に命じて造営
    • 歓喜光院：永治元年(1141)（１２月）皇后になった美福門院が創建した御願寺
    • 白河押小路殿：天養元年(1144)。鳥羽上皇・後白河上皇の院御所。美福門院も里第として使い、式子内親王も（後白河から借用して文治６年(1190)頃）一時住んだ
    • 金剛勝院：（鳥羽没後の）美福門院の御所
    • 善勝寺：応徳４年(1087)善勝寺流の祖となる「藤原顕季」が創建。藤原隆房が継ぎ、大原から下りてきた建礼門院が住んだ

• （参考）岡崎道と岡崎通
  • 岡崎地区を南北に縦断する道がある（上の地図の黒線の細長い四角形）。岡崎道と呼ぶのか、岡崎通と呼ぶのか。
    • 銀閣寺道で検討した。
    • 通りの名前としては「岡崎通」と呼ぶ（のが論理が一貫している）。京都の街角写真と同様に、岡崎通としてまとめた。
      • 北は春日北道、南は「三条通の東延長通り」までの短い通りである。
    • バス停は「岡崎道」と呼ぶ（と考えるのがよさそう）。