（東京から引っ越してきた人の作った京都小事典）

（京都市内）町名の冠一覧 　　　　　　　　　　(INDEX：索引へ)

1. 北区（最北にあるわけではない）
   • 単独町名は、鞍馬口町、小山町、上善寺門前町、天寧寺門前町、その他いくつか、ある。
   
   

   分類	冠								備考
   旧大字名	鷹峯	大将軍	等持院	北野	杉阪	真弓	小野	大森	鷹峯村・小野郷村・衣笠村の大字名がそのまま冠に
   旧大字を再編成	紫野	紫竹	西賀茂	大宮	／	上賀茂	小山	出雲路	大宮村・野口村が４つに／鞍馬口村・上賀茂村が３つに再編成
   旧大字を名称変更	小松原	平野	／	大北山	衣笠				衣笠村の大字が名前を変えて／分割再編成
   旧村名	雲ケ畑	中川							旧村名がそのまま冠に

   
   

   「真弓」八幡町にある真弓八幡宮	飯森山・岩屋山の登山口「大森」東町
   「京都市北区」もこの辺まで来れば「山の中」	「小野」「雲ケ畑」への分岐点になっている

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2. 上京区
   • すべて単独町名。冠称町名は無い。
     • 京都の歴史を引き継いでいる証左。昔の名前を使い続けている。偉いというか、「上ル下ル入ル」方式の住所表示で済んでしまうので町名を使う場面がない。
     • それでも例を挙げると、「上立売町」、「上天神町」、「薮之内町」。
   
   
3. 左京区
   • 単独町名は、黒谷町、永観堂町、銀閣寺町など、さらに鴨川の東・二条通辺りはすべて（例：東竹屋町、大菊町）。
   
   

   分類	冠								備考
   旧大字名	一乗寺	田中	／	上高野	高野	修学院	山端	（賀茂）	旧大字名がそのまま冠に／（旧大字名は高野、高野河原、上賀茂、 修学院・山端は修学院からの分割）、賀茂は今井町のみ
   旧村名	岡崎	聖護院	吉田	南禅寺	粟田口	鹿ケ谷	浄土寺		旧村名がそのまま冠に（粟田口は東山区にも）
   	松ケ崎	八瀬	久多	下鴨	北白川				同上（ただし北白川の旧村名は「白川村」）
   	岩倉	大原	鞍馬	花背	静市	広河原			旧村の全大字を統合して冠に（ただし静市は「静市野村」から）

   
   

   「上高野」三宅町にある三宅八幡宮	「久多」下の町の風景
   「狛鳩」が「上高野」地区の「子供たち」を守っている	「久多」は「鯖街道根来坂越え」の中間点にあたり、民宿もいくつかある。京都市の最北端になる

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4. 中京区
   • ほとんどが単独町名。冠は３つだけ。
     • 多くが京都の歴史を引き継いで、「上ル下ル入ル」方式の住所表示の傍らで昔の名前を使い続けている。
     • 例を挙げると、「梅屋町」、「菊屋町」、「冷泉町」。
       • ただし、最近は、「通り名」を冠称して、存在位置を明確にしようとするケースも出てきている。冠称町もバラバラの位置にあって「まとまった地区」を構成していない。
       • 例：「三条ｘｘｘ」、「三条油小路町」は三条油小路の交差点を含む町。
       • 例：「三坊ｘｘｘ」、「三坊大宮町」は三条坊門（御池）大宮の交差点を含む町。
       • 下京区の「高辻ｘｘｘ」も同様である。
   
   

   分類	冠			備考
   旧大字名	聚楽廻	西ノ京	壬生	編入された葛野郡朱雀野村の３つの大字がそのまま冠に

   
   

   「西ノ京」円町にあるJR円町駅	「壬生」梛ノ宮町にある壬生寺
   市バスの停留所名は「西ノ京円町」	新選組壬生屯所があったことでも有名

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5. 東山区
   • 多くが単独町名。冠は少ない。
   • 例を挙げると、「轆轤町」、「下河原町」、「林下町」。
   
   

   分類	冠				備考
   旧大字名	福稲				「深草村大字福稲」だけが東山区に入り、大字を冠に
   旧村名	粟田口	今熊野	清閑寺	泉涌寺	清閑寺は４つの字を統合した、泉涌寺の元は「泉涌寺門前」
   旧町名	（一橋）				「紀伊郡柳原町」の一部が東山区に編入、冠名を「一橋」に変更。ただし町は２つ

   
   

   「粟田口」三条坊町にある「粟田口の碑」	「泉涌寺」山内町にある今熊野観音寺
   青蓮院は東山区粟田口にある 冠「粟田口」は左京区にもある	「今熊野」「泉涌寺」は入り組んでいる

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6. 山科区
   • ほとんどが「宇治郡山科町」からの編入で、単独町名は無い。すべて冠が付く。
   
   

   分類	冠							備考
   旧大字名	安朱	上野	大塚	大宅	音羽	小野	川田	旧大字名がそのまま冠に（冠「厨子奥」は飛び地）
   	栗栖野	勧修寺	上花山	北花山	小山	四ノ宮	厨子奥
   	竹鼻	椥辻	東野	西野	西野山	日ノ岡	御陵
   旧町名	髭茶屋	（八軒）						八軒は「八軒屋敷町」１つしかないので冠と言えるか（難しい）

   
   

   「大塚」壇ノ浦にある「壇ノ浦南児童公園」	「山科区役所」に植えられた「梛（なぎ）の木」
   どうして壇ノ浦という名前が付いたのか	山科区役所は山科区「椥辻」池尻町にある

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7. 下京区
   • 単独町名が多い。冠もそこそこ。
   • 例を挙げると、「杉蛭子町」、「菅大臣町」、「左女牛井町」。
     • ただし、最近「島原」地区は「西新屋敷」を冠称するケースが散見できる。
   
   

   分類	冠			備考
   旧大字名	中堂寺	朱雀	東塩小路	大内村の大字がそのまま冠に
   旧大字を再編成	西七条	七条御所ノ内	梅小路	七条村の５つの大字を大幅に再編成して冠に（大字梅小路だけ名前が残った）

   
   

   「ホテル エミオン 京都」	「京都鉄道博物館」
   JR嵯峨野線「梅小路京都西」駅から連絡通路で歩けるホテル。住所は下京区「朱雀」堂ノ口町	梅小路機関区のあたりに造られた。後ろは「旧JR二条駅舎」。あたり一帯が「梅小路」頭町

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8. 南区（最南にあるわけではない）
   • 単独町名は、東寺町、八条町、九条町、その他いくつか、ある。
   
   

   分類	冠							備考
   旧大字名	八条	東九条	西九条	唐橋	吉祥院	上鳥羽塔ノ森		大字名がそのまま冠に（上鳥羽塔ノ森は元「上鳥羽村大字塔ノ森」）
   旧大字を統合／分割	上鳥羽	／	吉祥院西ノ庄	吉祥院中河原	／	吉祥院石原	吉祥院嶋	大字「西九条」と統合／大字「西中」／大字「石嶋」がそれぞれ分割
   旧村名	久世							久世村のすべての大字が冠「久世」に

   
   
   • 中でも「吉祥院」は難しい。
     • 「吉祥院」も冠、「吉祥院西ノ庄」「吉祥院中河原」「吉祥院石原」「吉祥院嶋」も冠。
       • 「吉祥院」の中にも、「吉祥院新田」を冠する町も４つある。「吉祥院新田」を冠とする資料もある、一方「吉祥院」に含まれるという資料もある。
       • ここでは後者を採り、「吉祥院新田」を冠する町は「吉祥院」に含まれる、とした。
   
   

   「京都蒸留所」	交差点「石原」
   京都の「吉祥院嶋」野間詰町にある「ジン蒸留所」（工場）。平成２６年(2014)創業。珍しく「ドライジン」を製造している	「久世橋通」と「葛野大路通」の交差点、久世橋のすぐ東。住所は「吉祥院石原」野上町

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9. 右京区
   • 単独町名は無く、すべて冠が付く。
     • ただしその「冠の付け方」は難しい。
       
       

       分類	冠							備考
       旧大字名	山ノ内	西院	太秦安井	常盤	嵯峨野	御室	花園	旧大字名がそのまま冠に（ただし太秦安井は「安井」から、常盤は「常盤谷」から改称）
       旧大字を分割	宇多野	鳴滝	山越	／	谷口	龍安寺		大字「宇多野」／大字「谷口」をそれぞれ分割
       旧大字名に旧村名を修飾	西京極	西京極郡	西京極徳大寺					旧「京極村」は「西京極＋旧大字名」に改称（ただし大字「川勝寺」は旧大字名を消した）
       旧大字を統合／再編成	太秦	／	梅津	（東梅津）				大字「太秦」「中野」を統合／東梅津は「東梅津前子町」１つのみ（冠でないかも）
       旧村名	梅ケ畑							旧「梅ケ畑村」には大字がなかったので各地域に梅ケ畑を冠称して５２個の町にした
       旧町名	京北							往時の旧大字（灰屋、宮、小塩、下弓削、芹生、周山など）に京北を冠称して４１個の町にした

       
       

       「西京極郡」にある「醍醐田公園」	「京北」周山町にある羽田酒造
       「西京極郡」醍醐田町にある地元民のための公園	旧大字「周山」で銘酒「初日の出」を造っている

       
       
     • 中でも旧「嵯峨村」はさらに難しい。
       • 「嵯峨広沢」「嵯峨大沢」「嵯峨清滝」は冠かどうか。
         • （嵯峨広沢で説明すると）「嵯峨広沢南野町」のように「嵯峨広沢」を冠称する町は多いのだが、一方「嵯峨広沢町」もある。
         • 「嵯峨広沢」を冠にすると「嵯峨広沢町は冠された町名が無くなる」。
         • 「嵯峨」を冠にする方が、筋が通っていそう。
   
   

   分類	冠						備考
   旧大字名に旧村名を修飾	嵯峨水尾	嵯峨越畑	嵯峨樒原	／	嵯峨天龍寺	嵯峨小倉山	嵯峨樒原の旧大字名は「原」／旧大字「天龍寺」は２つに分割
   旧大字を分割して修飾	嵯峨大覚寺門前	嵯峨釈迦堂門前	嵯峨釈迦堂	嵯峨二尊院門前	嵯峨観空寺	嵯峨鳥居本	旧大字「上嵯峨」から分割
   旧大字を再編成	嵯峨	北嵯峨	／／	（嵯峨広沢）	（嵯峨大沢）	（嵯峨清滝）	旧大字「上嵯峨」と「下嵯峨」を再編成

   
   

   「嵯峨越畑」にある「地蔵山(948m)」	「嵯峨鳥居本」仙翁町にある平野屋
   写真左端のピーク。京都市唯一の一等三角点は「嵯峨越畑」にある	江戸時代を彷彿させる建物で「鮎料理」が堪能できる

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10. 西京区
    • 単独町名は無く、すべて冠が付く。

      分類	冠								備考
      旧大字名	嵐山	松室	御陵	上桂	牛ケ瀬	下津林	川島	樫原	旧大字名がそのまま冠に
      旧大字を分割／再編成	松尾	松尾谷	／	山田	下山田	／	桂	桂上野	大字「松尾谷」／「下山田」をそれぞれ分割／桂村の大字を再編成
      旧村名	大枝	大原野							旧「大原野村」はすべての旧大字に「大原野」を冠称

      
      
    • 西京区は「意外と山が多い」。
      • 「松尾谷」は１つの町で、松尾山のみ。「下山田」も３つの町で、沓掛山のみ。

    「樫原」盆山にある仁左衛門の湯	「桂」御園にある桂離宮
    国道９号線（現代の山陰道）に面している。樫原秤谷の東隣り。最寄駅は「下桂」	「桂」と言えば「桂離宮」（写真は古書院）

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11. 伏見区（最南にある）
    • 単独町名も結構多い、墨染町、京町、南浜町、西奉行所町、その他そこそこ、ある。
      
      

      分類	冠						備考
      旧大字名	醍醐	日野	石田	下鳥羽	中島		大字名がそのまま冠に
      旧大字を統合／再編成	小栗栖	／	桃山	桃山町	向島	葭島	大字「北小栗栖」「南小栗栖」を統合／旧「堀内村」と「向島村」を大幅に再編成
      旧大字に旧村名を修飾	横大路	横大路下三栖	横大路三栖	／		深草大亀谷	旧「横大路村」は「横大路＋旧大字名」に改称（ただし大字「横大路」は旧大字名を消した）
      旧村名	竹田	納所	久我	羽束師	淀	深草	納所には「納所町」があるので、冠と言えるか

      
      
    • 旧「深草町」は難しい。
      • 「深草稲荷中之町」のように「深草稲荷」を冠称する町が３つあるが、「深草稲荷」は冠かどうか。
        • 嵯峨広沢のような否定する根拠はない。
        • 「深草」を冠に付ける町は１００個以上あるので、３個の町だけ特別扱いはし難い。
        • ここでは「深草稲荷」を冠にしなかった。
      • 同様に冠「桃山」にも同じような問題がある。「桃山羽柴長吉」「桃山井伊掃部」「桃山福島太夫」などなど。
        • （桃山羽柴長吉で説明すると）「桃山羽柴長吉東町」のように「桃山羽柴長吉」を冠称する町が３つあるが、「桃山羽柴長吉」は冠かどうか。
          • これらも同上な理由で冠にしなかった。
    • 「桃山町」は唯一“町”が付く冠である。
      • “町”が付くと住所表示がややこしくなる。例：伏見区桃山町西町。どこが「町名」だか分かり難い。
    
    

    「石田」森西にある万葉遺蹟 石田杜	「羽束師」志水町に建っている「羽束師川道標」
    明智光秀が討たれた「小栗栖」も近い	道標には、北「久我」・東「横大路」などとある

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