（東京から引っ越してきた人の作った京都小事典）

（京都大事典に記載されていて、京都小事典に記載されていない） 京都の寺社（ま行） 　　　　　　　　　　(INDEX：索引へ)

• 万年寺（まんねんじ）
• 正式名称・宗派：留径山万年寺／西山浄土宗　　　　このページの索引へ
• 住所：下京区富小路通六条下ル本塩竈町526（市比売神社から少し西へ）
• 特記：弘治元年(1555)頂空が万年寺通烏丸に創建。天正１９年(1591)（豊臣秀吉の寺社整理で）現在の地へ移転。境内に「万年寺の天神」と呼ばれる紅梅天神を祀る。

「本堂」。手前に「九重石塔」「天満宮の鳥居」がある	「鳥居」の下には「北野天満宮の石標」（紅梅天満宮）

• 水薬師寺（みずやくしじ）
• 正式名称・宗派：塩通山医王院水薬師寺／真言宗　　　　このページの索引へ
• 住所：下京区西塩小路通御前西入ル（松尾大社西七条御旅所から南へ歩く）
• 特記：寺伝によれば、延喜２年(902)大池の中から薬師如来が出現したので醍醐天皇の命でこの寺を創建した、という。正保年間(1644-)京都所司代板倉重宗が再興、その後尼寺に。
  かつて境内にあった「弁財天堂」は平清盛が熱病を患った時、当寺の池（清盛井、現在は無い）で水浴びし平癒したのを謝し、安芸国宮島の弁財天を勧請して祀ったものと伝えられる。

• 宮道神社（みやじじんじゃ）
• 正式名称・宗派：（−−−−）宮道神社（別名：二所大明神）　　　　このページの索引へ
• 住所：山科区勧修寺仁王堂町17（勧修寺の南隣）
• 特記：昌泰元年(898)宮道氏（勧修寺との関連性が深い）の氏神として創祀された。山科神社と同根か。「今昔物語」にも出てくる。現在の本殿は明治２３年(1890)再建。

• 妙教寺（みょうきょうじ）
• 正式名称・宗派：大圓山妙教寺／法華宗真門流　　　　このページの索引へ
• 住所：伏見区納所北城堀49（納所小学校の北隣）
• 特記：法華又左衛門貞清が日孝を開山として開創。寛永年間(1624-)淀城主・松平定綱が寺域を整備した。鳥羽伏見の戦いでは被災した。

• 妙光寺（みょうこうじ）
• 正式名称・宗派：正覚山妙光寺／臨済宗建仁寺派　　　　このページの索引へ
• 住所：右京区宇多野上ノ谷町（バス停「福王子」から北へ歩く）
• 特記：弘安８年(1285)花山院藤原師継が、長男忠孝の早世を悼み、自らの山荘を寺に改めた。以後この寺は花山家の菩提寺に。寛永１６年(1639)再興され、現存する本堂（印金堂）はこのときの建立。
  花山院師賢（師継の孫）は南朝に加わり三種の神器をこの寺に預かったこともある。蕪村もここを訪れ「春月や 印金堂の 木の間より」と詠んでいる。俵屋宗達の風神・雷神図屏風も当初はこの寺に置かれた。

通常非公開なので「京都市の案内板」（境内は京都市指定史跡）だけを撮影してきた

• 明光寺（みょうこうじ）
• 正式名称・宗派：能谷山明光寺／浄土真宗本願寺派　　　　このページの索引へ
• 住所：北区鞍馬口通烏丸東入ル（地下鉄「鞍馬口」駅から東へ）
• 特記：寺伝によれば、了善（浅井長政の従弟）が堀ノ内に創建（堀内道場）。天正２０年(1592)柳原に移り「柳原道場」。慶長年間(1596-)現在の地へ移転し、現号に改めた。

• 妙泉寺（みょうせんじ）
• 正式名称・宗派：法性山専求院妙泉寺／浄土宗　　　　このページの索引へ
• 住所：中京区神泉苑通三条下ル（神泉苑から南へ歩く）
• 特記：天正１０年(1582)道泉（織田信長の家臣）の妻妙泉が開創。開山は天誉。文化年間(1804-)界誉が再建。

• 妙満寺（みょうまんじ）
• 正式名称・宗派：妙塔山妙満寺／顕本法華宗総本山　　　　このページの索引へ
• 住所：左京区岩倉幡枝町91（叡電「木野」駅から徒歩５分）
• 特記：永徳３年(1383)日什上人が六条坊門室町に法華堂を開創。康応元年(1389)現称を定めた。天文元年(1532)後奈良天皇の勅願所となる。四条綾小路、寺町二条を経て、昭和４３年(1968)現在の地へ移転。安珍清姫の鐘（紀州道成寺、延文４年(1359)銘）がある。「松永貞徳」作の庭も復元されている。
• 公式サイト：妙満寺

• 無量寺（むりょうじ）
• 正式名称・宗派：光明山無量寺／浄土宗　　　　このページの索引へ
• 住所：上京区千本通寺之内下ル（千本ゑんま堂から南へ歩く）
• 特記：正保２年(1645)然誉覚円が創建。享保１５年(1730)西陣焼けで焼失も、再建。本尊は阿弥陀如来（円仁作か）。）

• 諸羽神社（もろはじんじゃ）
• 正式名称・宗派：（−−−−）諸羽神社（通称：四ノ宮）　　　　このページの索引へ
• 住所：山科区四ノ宮中在寺町17（JR「山科」駅から北東へ歩く）
• 特記：社伝によれば、貞観４年(862)創建。祭神は天児屋根命、天太玉命。この二神は天孫降臨の際の「左右扶翼の神」であることから「諸羽神社」と呼ばれた。
  境内には合祀された人康親王の小祠があり、人康親王が仁明天皇の第四皇子であることから「四ノ宮」とも呼ばれる。

「旧東海道」から北に伸びる「参道」。途中京津線を越える	本殿手前にある「割拝殿」	「本殿」。脇からでないと姿は見えない

• 聞名寺（もんみょうじ）
• 正式名称・宗派：小松院聞名寺／時宗遊行派（通称：大炊道場、明眼地蔵）　　　　このページの索引へ
• 住所：左京区東大路通仁王門上ル（妙傳寺の南）
• 特記：創建時期は不明。仁和３年(887)光孝天皇崩御後、住まいの「小松殿」（現在の竹屋町通室町西入ル、地蔵菩薩）が「小松寺」に改められた。弘安２年(1279)時宗「小松院聞名寺」（大炊道場）として中興とも。その後、京極夷川を経て、現在の地へ。地蔵菩薩は光孝天皇の眼病平癒に信仰された。

「山門」前には「香川景樹大人墳墓」の石標が建つ	「本堂」	「明眼地蔵」の安置されている「地蔵堂」

• 山科別院（にしやまべついん）
• 正式名称・宗派：山科別院長福寺／真宗大谷派（通称：東御坊、東別院）　　　　このページの索引へ
• 住所：山科区竹鼻サイカシ町13（バス停「地蔵寺」の近く）
• 特記：享保１７年(1732)本山十七世真如光性が山科本願寺（文明１０年(1478)蓮如上人が創建）の旧地に「東本願寺内の長福寺」を移転して創立。のちに竹鼻光称寺の地に移転。
  
  

  都名所図会には「本願寺旧跡」を挟んで「東御坊」（左）と「西御坊」（右上）、右端に「蓮如上人塚」が描かれている（中央下は「西宗寺」）	「両御坊道」から大きな石標のある「西参道」へ	「御影堂」

  
  （龍谷山）本願寺山科別院（西御坊）は「山科区東野狐薮町2」にある。

「参道」。石標には「本派本願寺山科別院」とある	「山門」を潜ると「境内」は広い	「本堂」（左）、「中宗堂」（右）

• 祐正寺（ゆうしょうじ）
• 正式名称・宗派：大応山慈光院祐正寺／浄土宗　　　　このページの索引へ
• 住所：上京区下立売通七本松東入ル（弘誓寺の西隣）
• 特記：慶長７年(1602)教蓮社円誉雲白の開基。つまとり（妻取）地蔵は縁結び地蔵尊として信仰を集める。

• 涌泉寺（ゆうせんじ）
• 正式名称・宗派：松崎山涌泉寺／日蓮宗　　　　このページの索引へ
• 住所：左京区松ヶ崎掘町53（松ヶ崎大黒天の西隣）
• 特記：大正７年(1918)「本涌寺」（天正２年(1574)教蔵院日生がこの地に創建）と「妙泉寺」（正暦３年(992)源保光が松崎寺を創建、その後、歓喜寺を経て、妙泉寺に改称）が合併して現称を定めた。題目踊はこの寺の境内で行われる（大文字送り火の日と前日）
• 公式サイト：涌泉寺

• 来迎寺（らいごうじ）
• 正式名称・宗派：紫雲山来迎寺／浄土宗西山禅林寺派　　　　このページの索引へ
• 住所：中京区神泉苑通姉小路下ル（神泉苑から南へ歩く）
• 特記：寛永７年(1630)詮空が油小路六角に創建（来迎庵）。慶安年間(1648-)現在の地に移転。嘉永年間(1848-)再建。観音堂に祀られる「十一面観音像」は熊谷直実の念持仏と伝える。

• 龍雲寺（りゅううんじ）
• 正式名称・宗派：雨宝山龍雲寺／天台宗（通称：桃山善光寺）　　　　このページの索引へ
• 住所：伏見区桃山毛利長門東町37（御香宮神社から東へ歩く）
• 特記：創建は不詳。正徳５年(1715)珍恭（伏見奉行石川備前守）が、徳川綱吉の念持仏であった観音菩薩像を本尊とし関ヶ原の戦いで討死した鳥居元忠配下数百名の霊を弔うために建立（桃山町三河）。明治天皇陵構築のため、明治３１年(1898)現在の地に移転。
  寛政８年(1796)（桃山町三河で）御開帳があり「桃山善光寺」と呼ばれるようになった。

• 立本寺（りゅうほんじ）
• 正式名称・宗派：西龍華具足山立本寺／日蓮宗本山（通称：北野の鬼子母神さま）　　　　このページの索引へ
• 住所：上京区七本松通仁和寺街道上ル
• 特記：元亨元年(1321)日像が四条櫛笥に創建（妙顕寺龍華院）。応永２０年(1413)比叡山の衆徒に破壊されるが、応永２３年(1416)「立本寺」として再興。さらに「天文法華の乱」でも破壊。何回か移転し、文禄年間(1592-)現在の地へ。
  境内にある「鬼子母神堂（刹堂）」は毎月御開帳がある。少し離れた墓地には島左近の墓がある。

「七本松通」から見える「山門」

• 良恩寺（りょうおんじ）
• 正式名称・宗派：華頂山良恩寺／浄土宗西山禅林寺派　　　　このページの索引へ
• 住所：東山区粟田口鍛冶町７（粟田神社の手前）
• 特記：源信、法然の住跡とも伝えられる。もとは天台宗青蓮院の境内地にあって、念仏堂として発祥。永禄７年(1564)浄清（本蓮社願誉）が開基。その後粟田口の惣堂となり、「上之堂」とも呼ばれた。江戸期に「華頂山の火葬場」を管理するようになり、この寺の地蔵はみちびき地蔵と呼ばれるようになった。

石標には「華頂山良恩寺」「導引地蔵尊」とある

• 冷声院（りょうしょういん）
• 正式名称・宗派：知足山冷声院／浄土宗（正式には「冷聲院」）　　　　このページの索引へ
• 住所：西京区川島玉頭町78（阪急「桂」駅から南西へ）
• 特記：天正２年(1574)革嶋一宣越前守が秀誉を開山に創建。明治期に、付近の神宮寺・念仏堂・万願寺などを合併。本堂は昭和４１年(1966)再建。墓地には、孝子として有名な儀兵衛翁の墓がある。

• 了徳寺（りょうとくじ）
• 正式名称・宗派：法輪山了徳寺／真宗大谷派（通称：大根炊寺）　　　　このページの索引へ
• 住所：右京区鳴滝本町83（円融天皇後村上陵の西）
• 特記：大永４年(1524)正西が創建。この地は、建長４年(1252)親鸞が月輪寺参詣の途中に立ち寄った際、住民が大根を炊いてもてなしたのに謝して、薄の穂に「十字名号」を書いて与えた場所、と伝える。今でも１２月９・１０日には「大根炊き」を行うので、多くの人を集める。
  何故か河原町今出川には京都市内最大級の廃屋を残したまま。
• 公式サイト：了徳寺

• 臨川寺（りんせんじ）
• 正式名称・宗派：霊亀山臨川寺／臨済宗天龍寺派　　　　このページの索引へ
• 住所：右京区嵯峨天龍寺造路町33（嵐電「嵐山」駅からすぐ）
• 特記：北畠親房が世良親王（後醍醐天皇の子）の邸宅を禅刹とし、建武２年(1335)後醍醐天皇の命で夢窓国師を開山に迎え勅願寺「臨川禅寺」とした。当時の地図にも明確に記載されている。応仁の乱で焼失、明応５年(1496)頃再建。現在、三会院、開山堂などが残る。開山堂の下に夢窓国師の遺骨が埋められている。

山門は三条通（嵐山）に面している、門が開けばこの先長い参道がある

• 霊源寺（れいげんじ）
• 正式名称・宗派：清凉山霊源寺／臨済宗　　　　このページの索引へ
• 住所：北区西賀茂北今原町41（川上大神宮社から北へ）
• 特記：寛永１３年(1636)後水尾上皇の勅願で一絲文守を開山として創建（霊源庵）。寛文６年(1666)再度勅願により「霊源寺」となった。その後霊元法皇の勅願寺にもなった。一絲が岩倉家の出身であったため、文久２年(1862)には岩倉具視はここに隠棲した。

• 蓮光寺（れんこうじ）
• 正式名称・宗派：負別山洛陽院蓮光寺／浄土宗　　　　このページの索引へ
• 住所：下京区富小路通六条上る本塩竃町534（市比売神社から少し西へ）
• 特記：明応９年(1500)真盛が高野山の苅萱堂に模して創建（新町高辻、天台宗「萱堂」）。その後、光順が浄土宗に改め、天正１９年(1591)（豊臣秀吉の寺社整理で）現在地に移転し、現号に改めた。本尊は「負別阿弥陀」と通称し、駒止地蔵も祀る。境内には長宗我部盛親の墓がある。

「長宗我部盛親公えい首之地」が目立つ	「本堂」（えい首＝埋葬）