(東京から引っ越してきた人の作った京都小事典)
暖簾(京都の街角写真から)
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(暖簾の代表)「加藤健旗店」 |
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丸太町通御前西入ル |
典型的な「暖簾形式」で、誰が見ても「暖簾を売っている」ことがわかる。 |
「本田味噌本店」 | |
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室町通一条上ル | |
普段は「左側」の「大きな屋号紋の暖簾」を掲げているが、なにかの折に「右側のお椀印の暖簾」を掲げるようです。このように数種類の暖簾を使い分けている。 |
京錺(かざり)「竹影堂」 | 京扇子「白竹堂」 |
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押小路通麩屋町西入ル | 麩屋町通六角上ル |
これだけ大きければ、誰もが「錺(かざり)金具」を作っていることがわかる。大きな字の方は「日除け暖簾」。 | 暖簾の上部に白竹がデザインされているのもお洒落です。商品展示と暖簾のバランスもよい。 |
あわ餅所「澤屋」 | かばん「SLOW」京都店 |
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今出川通御前西入ル | 蛸薬師通御幸町西入ル |
厳密には商品名ではなく使っている材料 を示しているのだが、よく店の特性を示している。 | 最近進出した店だが、暖簾は“レトロ”に作っている。「商品名の大きさ」が目立つ「日除け暖簾」。 |
紙司「柿本」 | お茶の名舗「一保堂」 |
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寺町通夷川下ル | 寺町通夷川下ル |
厳密には商品名ではなく職業名を示しているのだが、誰が見ても紙を売っていることがわかる。 | 同じ長い暖簾が4幅。ここまで“押せば”目立ちます。 |
御浅沓(あさぐつ)「橋本甚蔵商店」 | 「山田松香木店」 |
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油小路通夷川上ル | 室町通下立売上ル |
かなり珍しい商品を作っているので、商品名を暖簾に示さなければ何の店かわからない。 | 「お香の店」です。商品展示していないので“暖簾だけが頼り”です。 |
「今井燃料」 | 「釜座米穀店」 |
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釜座通丸太町下ル | 釜座通三条上ル |
暖簾どうり、備長炭・竹炭・火鉢・七輪などを扱う炭の専門店。一字暖簾はシンプルで良い。 | 釜座通にある“お米屋さん”。名前もシンプルだが、暖簾もシンプルで良い。ひだ数=2は珍しい |
麻の「塩谷」 | 「入山豆腐店」 |
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堺町通三条下ル | 椹木町通油小路東入ル |
麻製の暖簾に「麻の一字」を描いている。素材もシンプル、暖簾もシンプルでわかりやすい。 | 一字ではないが、「とうふ」とシンプルに平仮名で描いている。豆腐のシンプルさと合っている。 |
鰻の「梅乃井」 | 「帯かわせ」 |
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柳馬場通姉小路上ル | 寺之内通浄福寺西入ル |
鰻屋の暖簾はほぼ似たシンプルな形をしている。写真は偶々「柳馬場梅乃井」の暖簾。 | なぜか帯屋の暖簾もほぼ似たシンプルな形をしている。「帯」の字にそれぞれ特徴を出している。 |
「雨森敬太郎薬房」 | 昆布の店「長池老舗」 |
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車屋町通二条下ル | 竹屋町通西洞院西入ル |
「薬」ではなく、吸出し膏薬の銘品「無二膏」と描いている。暖簾の迫力は天下一品。 | 「足立(商店)」が(塩昆布の1つの商標である)「長池昆布」を売っている。暖簾はこういう風に読む。 |
京菓匠「西谷堂」 | 柚味噌「八百三」 |
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今出川通小川東入ル−下ル | 姉小路通東洞院西入ル |
和菓子屋に多い「御菓子司」でなく、店の原点商品である「でっちようかん」と描いている。 | 寸の短い暖簾に「柚子味噌」ではなく、一子相伝の商品名「柚味噌」が。硝子には「丸に八」屋号紋。 |
「小布紗屋」 | 料理仕出し「阿古や」 |
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室町通御池上ル | 松屋町通中立売下ル |
京友禅の中の「茶屋辻」の呉服商。茶屋辻とは「模様染技法の一種」ですから固有技術を示している。 | 短い暖簾に「割鮮」(かっせん)とある。これは「鮮魚を食べやすく調理して生のまま食べるもの」を出す店。 |
ステッキ・杖の専門店「つえ屋」 | 有職料理「萬亀楼」 |
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丸太町通西洞院西入ル | 猪熊通出水上ル |
ステッキ・杖をそのまま図案にしたものを記している。字は無いが、まあ「つえ屋」とわかるだろう。 | 「生間流式庖丁」で調理される魚を図案化したものを暖簾に記している。図としても愛嬌がある。 |
「一澤帆布」 | 鳥料理「とり安」 |
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東大路通古門前上ル | 烏丸通押小路上ル |
帆布で包む「かばん」を作っている。その創業のモットーを図案化(造語)した。 | よくあるパターンですが、素材を図案化(文字を図のように変形)した。可愛らしいですね。 |
「TAKENOKO」 | 串かつ・おばんざい「とんとん」 |
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油小路通下長者町上ル | 富小路通蛸薬師下ル |
竹雑貨・竹小物を製造販売する店が、「店名の図案を屋号紋風」にした。 | これもよくあるパターンですが、素材・店名の「図案を屋号紋風」にした。 |
表具師「稲垣捨穂堂」(しゅうほどう) | しみぬき「ひろい」 |
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室町通寺之内下ル | 小川通姉小路下ル |
掛軸・襖などを“表装する”という「仕事」をする人を「表具師」という。暖簾には「表装」ではなく表具師とある。 | “しみぬきする”という「仕事」をしている。非常に簡潔な暖簾。すべて「ひらがな」も良い。 |
靴修理「凛靴」(りんか) | ゲストハウス(民泊)「祥雲居」 |
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三条通昭和小路西入ル | 七本松通六角の一本南の通西入ル |
“靴を修理する”という「仕事」をしている。暖簾にもそのままの仕事名が描いてある。 | 壬生神明町の路地裏にある民泊。暖簾に「宿」と描いて無ければ見逃す。“泊める”「仕事」をしている。 |
天然酵母パン教室「YUKARI」 | 理念系映像集団「studioFit」 |
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御前通丸太町下ル | 新町通中立売下ル |
「仕事名」でなくて、仕事の成果の図(“焼いたパンを贈る”というイメージ)が描いてある。 | これも「仕事名」でなくて、仕事に使う道具の図が描いてある。 |
(山型)ヤマサン「よ志かわ」 | (山型)「細尾商店」 |
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西洞院通押小路上ル | 黒門通元誓願寺下ル |
屋号がヤマサンなので、「山型」に「三」を描く。 | 「山型」に「ツ」なのだが、屋号は不明。立派な暖簾なのですが。 |
(入山型)「加納幸」 | (入山型)「蔦屋久兵衛」 |
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上立売通堀川東入ル | 新町通寺之内上ル−東入 |
創業時の屋号「亀屋」に因んだ暖簾。秋冬は臙脂地の暖簾になる。 | 「入山型」は「屋」を表すらしい。「入山型」に「蔦」で『蔦屋』と読む。 |
(出山型)染繍工芸「熊谷」 | (菱型)「内と良」(ないとりょう) |
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両替町通三条上ル | 新町通二条下ル |
比較的見ることの少ない「出山型」に「さ」の屋号紋。「さ」は創業者(江戸時代)に由来するのか。 | ブランドに菱利苑を持っており、このことを表すために「菱型」に「り」(利)を描いている。 |
(差金型)小紋染「野口」 | (亀甲型)「亀廣永」(ひろなが) |
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油小路通四条上ル | 高倉通蛸薬師上ル |
野口家初代「金屋安兵衛」の屋号から、「サシガネ型」に「安」とした。紋に加えて「屋号」も描いている。 | 「亀屋」系ですから、「亀甲型」を使い、名前の「廣永」を入れた。やかりやすい屋号紋です。 |
(輪型)「大極殿本舗」六角店 | (輪型)京菓匠「長生堂」 |
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六角通高倉東入ル | 北大路通賀茂川東縁 |
「輪型」に「殿」が大きく描かれている。見応えのある屋号紋です。「輪型」の屋号紋は多い。 | 「輪型」に「長」の屋号紋。「長」の字に個性が感じられる。輪の太さは「中太輪」(太輪と中輪の間くらい)。 |
(輪型)御用蕎麦司「本家尾張屋」 | (升型)「孝太郎の酢」 |
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車屋町通二条下ル | 新町通寺之内上ル−東入 |
屋号紋に多用される「輪型」に「寶」(たから、なぜ宝かは不明)。共に縁起物。店内にもこの屋号紋が多い。 | 「二升型」に「や」(だと思う。二重の角型かも)。酢を量るのに“二升枡”を使ったからと思われる。 |
呉服「絹太」 | 「清課堂」 |
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新町通二条下ル | 寺町通二条下ル |
これは一般によく知られている「下り藤」。店名も併記してある。 | あまり目にしない「井桁に四目車」。家紋だけのシンプルな暖簾。力強さが感じられる。 |
京呉服「まるさ」 | 染工房「高橋徳」 |
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浄福寺通丸太町下ル | 新町通二条上ル |
これも有名な「丸に梅鉢」。屋号紋「丸さ」も併記してある。 | 梅鉢の亜流「加賀前田梅鉢」。家紋だけのシンプルな暖簾。 |
「伊勢源六たちばなや」 | 「井筒八ッ橋本舗」 |
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三条通堀川東入ル | 川端通四条上ル |
店名のとおり、家紋の「橘」に「源」の字を加えた「変形家紋」を描いている。 | 「隅立て井筒」に「八ッ橋」の絵を加えた「変形家紋」を描いている。 |
昔なつ菓子「格子家」 | 京漬物「おおみや児島」 |
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押小路通押小路南西角 | 大宮通寺之内上ル |
「格子」をもじった家紋(風“紋章”)と思われる。 | あまり見たことにない「家紋」だが、暖簾・建物・包装紙いずれにもこの家紋を用いている。 |
京わらび餅「茶洛」 | 町屋ゲストハウス「鯉屋」 |
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今出川通大宮西入ル | 猪熊通鞍馬口下ル |
「奴さん」の後ろ姿が可愛らしい。家紋ではないだろうが、暖簾での使い方は“家紋”的。 | フランス国旗らしきものの上に、「鯉か波」を図案化したような“家紋らしきもの”が描かれている。 |
「イノダコーヒ」本店 | 袋物「原田商店」 |
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堺町通三条下ル | 堺町通竹屋町下ル |
この紋章は、カップなど店内の備品にも描かれている。 | 紋章の図は「エジプト風」。文字「袋」の下の「図」の下にブランド名「Cream」の字がある。 |
墨の専門店「京都古梅園」 | 御幸町「関東屋」 |
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寺町通二条上ル | 御幸町通夷川上ル |
本当に「店名」しか描いていない。シンプルの極致ですね。 | 店名に「御幸町」が付いているので、暖簾にも「御幸町関東屋」と描いている。これもシンプルで良い。 |
「総本家河道屋」 | 河道屋支店「河久」 |
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姉小路通御幸町西入ル | 錦小路通西洞院西入ル |
「総本家」は本家らしく、シンプルに“小さく”「総本家」、中央に“大きく”「河道屋」と描いている。 | 「支店」は支店らしく、中央に“大きく”「河道屋支店」、左下に“小さく”「河久」と描いている。 |
「虎屋菓寮」 | 「奇竹堂」 |
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一条通烏丸西入ル | 押小路通富小路東入ル |
老舗らしく“寸の短い暖簾”に右書き店名のみ描いている。 | これも「とらや」さんと同じ。店の格式か。 |
干菓子「亀屋伊織」 | 「象彦」 |
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二条通衣棚西入ル | 寺町通二条上ル |
老舗らしく“寸の短い暖簾”に縦に小さく店名のみ描いている。ひだの色を使い分けているのもお洒落。 | これも「伊織」さんと同様、縦書き。文字は多少図案化している。写真は本社(堀川通)の暖簾。 |
北京膳「膳處漢」(ぜぜかん) | 喫茶「逃現郷」(とうげんきょう) |
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錦小路通室町西入ル | 大宮通今出川上ル |
家紋を作るときの角字を使って、店名を描いている。“おどろおどろ”感が出ている。 | これも字体に特徴がある。 |
「柿傳」 | 「権太呂本店」 |
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西洞院通丸太町上ル | 麩屋町通四条上ル |
店名しか描いていないのは上記と同じだが、“謙虚に”左下に小さく描いている(大きくない)。 | これも「柿傳」さんと同じ。この謙虚さも店の格式か。 |
「KEK」 | 「麩嘉」(ふうか) |
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小川通丸太町下ル | 西洞院通椹木町上ル |
最近はこういう風に英字の暖簾も増えている。これは見事なまでにシンプル。なんの店か“知る人ぞ知る”。 | 「歴史的名店」も「英字表記」に。「麩嘉」の「麩」を食べた人はお多福の絵のような顔になるらしい。 |
窯焼きピザ「エンボカ京都」 | 「フォーカルポイント」カフェ |
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西洞院通六角下ル | 大宮通元誓願寺下ル |
英字を屋号紋化したような暖簾です。 | 流麗な英文字を描いている。店の雰囲気と合致している。 |
「山本幸正堂印房」 | そば「うるめ」 |
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猪熊通紫竹北上ル | 北大路通堀川東入ル |
「白の無地」、無地暖簾の代表例。潔過ぎて、ここまでくると“日除け”にしか見えない。 | 「薄花色」(平安の頃の『縹色 はなだいろ』)でしょうか、無地暖簾は落ち着きがあります。 |
手うち蕎麦「花もも」 | 「いづ重」 |
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丸太町通麩屋町西入ル | 東大路通四条上ル |
これは「グラデーションの無地」、これもお洒落です。 | 「市松模様」ですから次の「図柄模様」に分類すべきか。よく見ると、左下隅に店名がある。 |
京表具「春芳堂」 | どんぶり「おの亭」 |
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姉小路通烏丸東入ル | 千本通下立売下ル |
「表具屋」さんに相応しい襖絵のような図柄模様の暖簾です。そぞろ歩きも美術鑑賞になる。 | これも“艶やかな”綺麗な図柄模様暖簾です。「どんぶり」には不似合いか。文字は無い。 |
京のやど「卯の花」 | 「ヤマキ織物」 |
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御前町通仁和寺街道下ル | 油小路通元誓願寺下ル |
おかず「卯の花」、花「ウツギ」とも関係はなさそうな“秋を思わせる”図柄模様暖簾です。 | ヤマキの屋号紋をお洒落に配置した暖簾。図柄模様か、屋号紋か、分類は難しい。 |
「京都版画館」 | 版画紙箱「十八屋」 |
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東竹屋町通川端東入ル | 寺町通夷川上ル |
流石に「版画館」(お店ではない)。版画のような暖簾が掲げられている。暖簾散策も楽しい。 | こちらは「版画のお店」。比較的頻繁に版画暖簾を架け替えている。この時は夏祭りの頃。 |
「山口美術織物」 | 「嵩山堂はし本」 |
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釜座通御池下ル | 六角通麩屋町東入ル |
これも流石「美術織物」屋。平安時代の絵巻物に出てくるような絵の暖簾が掲げられている。 | 便箋などに使われる挿絵のようです。残念ながら左には店名が描かれている。挿絵を見るのは楽しみです。 |
悉皆屋「万足屋きむら」 | 京うちわ「阿以波」 |
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蛸薬師通麩屋町東入ル | 柳馬場通六角下ル |
「歴史的意匠建造物」には「店名のみを記す暖簾」と(古式の)「水引暖簾」の両方を掲げている。 | 京都では一番の老舗ですから、暖簾は必然的に古式暖簾を掲げる。貫禄がありますね。 |
「長五郎餅本舗」 | 香老舗「松栄堂」 |
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一条通七本松西入ル | 烏丸通二条上ル |
この店もかなりの老舗ですから、家紋のみのシンプルな“寸の短い”式幕暖簾を掲げている。 | 二面の間口いっぱい軒先に掲げている。これも古式を感じます。 |
「井上佃煮店」 | 「麩嘉錦店」(ふうか) |
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錦小路通柳馬場西入ル | 錦小路通堺町東入ル |
錦市場は狭いですから、寸の長い暖簾を掲げたままでは商売できない。商い優先で「式幕暖簾」を。 | 写真でわかるとおり閉店しても、式幕暖簾は仕舞わない。 |
昆布の老舗「松前屋」 | 御菓子調進所「松屋常盤」 |
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釜座通丸太町下ル | 堺町通丸太町下ル |
天皇家御用達であることから「御用所」と大きく記している。これだけで誰でも何の店かわかる。 | 天皇から「御菓子大将山城大掾」の名を受けたことから「山城」の名を尊んで「松屋山城」と記している。 |
とんかつ「山本」 | 「重春刃物店」 |
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新烏丸通二条上ル | 堀川通三条上ル |
味は上々、「京都とんかつ」の中の私の好みです。揚げ方に独自の技を持っている。店の心意気は「技」。 | 古くから「刃物屋」としては、(暖簾ではないかもしれないが)顧客の無事を祈っている。 |