（東京から引っ越してきた人の作った京都小事典）

（京都大事典に記載されている） 家系 　　　　　　　　　　(INDEX：京都大事典へ)

• 創始が平安時代以前の家系（五十音順）
  • 粟田口氏
    • 刀工。姓は林氏。始祖は国家、大和の人・国頼の子。
    • 康治年間(1142-)粟田口に移住し、地名を家号とし、後鳥羽上皇の番鍛冶を務めた。末子・国綱は「鬼丸」（天下五剣の一つ）、孫の則国は「銘則国」（国宝）を作っている。
  • 猪熊家
    • 本姓は卜部。神祇伯・卜部兼国が猪熊氏を称した、兼忠の子。
    • 平安時代末期に「兼国が平野神社預」になったという記録がある。代々古史に通じ「日本記の家」とも称された。
  • 大炊御門家（おおいみかど）
    • 藤原北家流。始祖は藤原経実（権大納言、治暦４年(1068)〜天承元年(1131)）、関白藤原師実の三男。
    • 経実の四男・経宗が大炊御門大路北・富小路西に住んだので、大炊御門を家号とした。経実の女懿子（よしこ）は二条天皇の母となった。
  • 大江氏
    • もとは土師宿禰（野見宿禰）。延暦９年(790)土師本主が「大江朝臣」姓を賜り、貞観８年(866)音人が「大江」に改めた。
    • 代々詩文に優れ、菅原氏とともに「文章道」を司る。取集された書籍は江家文庫として有名。大江千里は音人の子、大江匡房もその一族。
  • 小野氏
    • 和邇系の古代氏族。もと大和大春日氏。「妹子」のとき近江国滋賀郡小野村に移住して「小野氏」を称した。
    • その後、愛宕郡小野郷に進出したか。平安期には篁、道風、好古などが出た。
  • 小野宮家
    • 太政大臣藤原実頼を祖とする公家。
    • 家名は大炊御門南・烏丸西にあった小野宮惟喬親王の邸宅を伝領したことに因む。多くの人材を輩出したが九条家に圧倒された。故実・典礼に関しては公任、定頼などが出て「小野宮流」と言われた。

    大江家の家系図

    音人を「家祖」とした。家系のすべてはわかっていない。わかる範囲で整理した。（参考）雅致、　匡衡

    
    
  • 花山院家
    • 藤原北家の道長流。始祖は藤原家忠（左大臣、治暦４年(1068)〜天承元年(1131)）、関白藤原師実の二男。
    • 家名は近衛南・東洞院東にあった花山院を伝領したことに因む。笛・筆道の家として知られる。
  • 勧修寺家（かじゅうじ）
    • 藤原北家高藤流。始祖は藤原定方（右大臣、貞観１５年(873)〜承平２年(932)）、内大臣藤原高藤の二男。
    • 家名は定方が母方の山科の宮道氏の邸跡に建てた勧修寺に因む。上皇や摂関家に仕えて弁官家・名家と呼ばれた。
  • 甘露寺家
    • 藤原北家勧修寺流。松崎ともいう。始祖は甘露寺為輔（中納言、延喜２０年(920)〜寛和２年(986)）、左兵衛督藤原朝頼の長男、勧修寺家藤原定方の孫。
    • 儒学をもって仕え、笛でも知られる。分流に堤家がある。
  • 紀氏
    • 古代氏族。武内宿禰を祖とする。大和国を本拠地として、大和朝廷で重きをなした。
    • 平安初期には古佐美・船守・今守などが活躍したが次第に衰え、平安期は貫之・友則が文学的方面で名を成したにとどまる。
  • 清原氏
    • 天武天皇の子孫とも言われる平安時代の貴族。天武天皇の子・舎人親王の子（天武の孫）三原王や小倉王の系統。
    • 三原王からは平安前期の右大臣清原夏野、小倉王からは平安中期の清原深養父・清原元輔・清少納言などが出る。清原頼業もこの家系。
  • 九条家
    • 藤原北家の嫡流。始祖は藤原兼実（太政大臣、久安５年(1149)〜建永２年(1207)）、太政大臣藤原忠通の六男。五摂家の一つ。
    • （注）あの有名な「師輔／兼家／道長」の家系も小野宮家と対比して「九条家」と呼ぶ。
  • 久我家（こが）
    • 村上源氏の嫡流。始祖は源師房（右大臣、寛弘５年(1008)〜承保４年(1077)）、具平親王の長男。
    • 師房の子・顕房は「中院（なかのいん）」を称し、師房の孫雅実（太政大臣）が別荘久我に因んで「久我」を称した（源雅実が久我家の始祖と言えなくもない）。雅実（嘉承３年(1108)２月１５日没）の墓は久我にある（久我大臣之墓）。
  • 近衛家
    • 藤原北家の嫡流。始祖は藤原基実（関白、康治２年(1143)〜永万２年(1166)）、太政大臣藤原忠通の四男。五摂家の筆頭。
    
    

    久我家・久世家の家系図

    久我家＝師房／顕房／雅実に始まる、　　久世家＝具通が始祖、　　中院家＝通方が始祖

    （参考）俊房、　師光、　師時、　顕房、　俊隆、　雅通、　通親、　具守、　通相、　通有

    
    
  • 西園寺家
    • 藤原北家閑院流。始祖は藤原通季（権中納言、寛治４年(1090)〜大治３年(1128)）、権大納言藤原公実の三男。清華家の一つ。
    • 家名は曽孫公経が太政大臣になり、北山の別荘に西園寺を造営したのに因む（公経が西園寺家の始祖と言えなくもない）。鎌倉幕府の後援で、代々太政大臣を輩出し権勢を誇った。近代の首相西園寺公望もこの家系。
  • 三条家
    • 藤原北家閑院流。始祖は藤原実行（太政大臣、承暦４年(1080)〜応保２年(1162)）、権大納言藤原公実の二男、邸宅を「閑院」と名付けた藤原公季の五代孫。清華家の一つ。
    • 家名は三条大路北・高倉小路東に住んだことによる。笛を家業とした。明治の元勲三条実美はこの家系。
  • 滋野井家（しげのい）
    • 藤原北家閑院流。始祖は三条実国（権大納言、保延６年(1140)〜寿永２年(1183)）、内大臣三条公教の二男。
    • 家創始の前に、権大納言藤原公成（公季の孫）は「滋野井別当」と呼ばれている。家業は神楽と有職故実。
  • 白川家
    • 花山天皇の曾孫・延信王が祖。白川家は「神祇伯王家」とも。神号授与・許状発行などを主管し、神道の宣揚を図ったが、吉田家を超えられなかった。
    • しかし明治になって、子爵に。
  • 菅原氏
    • もと土師氏。野見宿禰の子孫という。代々大和国添下郡菅原の地に住む。天応元年(781)土師古人が「菅原宿禰」を賜った。
    • 清公・善主・是善と代々学者を出し、菅原道真は右大臣まで進んだ。
  • 世尊寺家
    • 藤原北家伊尹流。始祖は藤原行成（権大納言、天禄３年(972)〜万寿４年(1027)）、右近衛少将藤原義孝の長男、太政大臣藤原伊尹の孫。
    • 家名は桃園（一条大路北・大宮大路西）に世尊寺を建てたことによる。能書家として三蹟の一人に数えられ、代々書道（世尊寺流）をもって知られた。
    • 行成の書は白氏詩巻（国宝）・往生要集（重文）で残っているし、頭弁としても優秀だったし、日記権記は平安期の重要史料となっているし、枕草子にも頻繁に登場する。
    
    

    西園寺家（西園寺）	三条家（梨木神社）
    北山山荘にあった西園寺は、現在寺町通鞍馬口下ルに移転。扁額は子孫・西園寺公望の筆になる	この神社の祭神は、三條実萬・三條実美（1837-1891）父子

    
    
  • 高階氏（たかしな）
    • 天武天皇の皇子高市皇子から出た氏族。奈良末期に安宿王（長屋王の五男）が「高階真人」の姓を賜ったのが初見。
    • 平安初期の峯緒（神祇伯）の系統が栄え、高階貴子（定子の母）は有名。高階遠成は遣唐大使、大弐三位は高階成章の妻、伊勢大輔は高階成順の妻と高階氏は歴史によく登場する。後の丹後局もこの家系。。
  • 橘氏
    • 古代の名族。県犬養三千代が和銅元年(708)「橘宿禰」の姓を賜ったことに始まる。
    • 「源平藤橘」を誇ったが、承和９年(842)橘逸勢が流罪になった以降、ふるわなかった。
  • 徳大寺家
    • 藤原北家閑院流。始祖は藤原（閑院）公季（太政大臣、天暦１０年(956)〜長元２年(1029)）、右大臣藤原師輔の十一男（十二男か）。清華家の一つ。
    • 待賢門院の父・四代公実の五男実能が衣笠山の麓に徳大寺を創建したことで徳大寺家と呼ばれた。
  • 伴氏（とも）
    • 最大級の古代氏族。もと大伴（おおとも）氏。淳和天皇の諱が大伴だったため弘仁１２年(821)「大伴を止めて伴」に改姓した。
    • 大納言伴善男が応天門の変で流刑となり、伴氏は没落した。
    
    
  • 中原氏
    • 大和の十市氏。天禄２年(971)十市有象（治部卿）のとき「中原」姓を賜る。
    • 清原氏と並んで明経道の博士家で、代々「大外記」を世襲した。
  • 中山家
    • 藤原北家花山院流。始祖は藤原忠親（内大臣、天承元年(1131)〜建久６年(1195)）、右大臣藤原忠宗の二男。
    • 忠親が晩年中山堂に隠居したことで、中山の家名が付いた。中山家の活躍は幕末・明治期。
    
    
  • 日野家
    • 藤原北家真夏流。始祖は藤原資業（式部大輔、永延２年(988)〜延久２年(1070)）、参議藤原有国の七男。遠く藤原真夏（宝亀５年(774)〜天長７年(830)）の家系。
    • 資業は法界寺を建立した。後の資朝、俊基は後醍醐天皇の反乱に与し、時光の女・業子が足利義満の夫人になってからは足利将軍の正室は日野家からずっと出し続けた。日野富子もその一人。
    
    

    伴氏（応天門）	中山家（中山堂のあたり）
    伴氏が没落するきっかけとなった応天門。写真は現在の平安神宮に建てられた応天門（ミニチュア）	現在の「神楽岡通」。写真奥に「山中越え」が見える。この辺りに「中山堂」があったか

• 創始が鎌倉時代以降の家系（五十音順）
  • 飛鳥井家
    • 藤原北家花山院流。始祖は藤原雅経（嘉応２年(1170)〜承久３年(1221)）、鎌倉幕府第四代将軍藤原頼経（九条道家の三男）の二男。
    • 雅経は「蹴鞠と和歌」が堪能で、この二道で栄える。
  • 姉小路家
    • 藤原北家閑院流。始祖は三条公宣（権大納言、養和元年(1181)〜嘉禄元年(1225)）、三条実房（左大臣）の二男。
    • 姉小路に住んでいたことで、姉小路を号した。数代で断絶したが、江戸中期再興。
  • 一条家
    • 藤原北家九条家の分流。始祖は九条実経（後嵯峨天皇の関白・後深草天皇の摂政、貞応２年(1223)〜弘安７年(1284)）、九条家三代当主九条道家の四男。
    • 道家造営の「一条殿」に居住したことで、一条家を興した。五摂家の一つであるが、八代兼良・九代冬良などの文学者も輩出した。
  • 鴨脚家（いちょう）
    • 下鴨神社の社家。始祖は不明、室町時代には賀茂社に奉仕していた。
    • 下鴨神社の社家は江戸時代５０軒ほどあったらしいが、現在はほとんど残っていない。上賀茂神社には社家町が残っている。
  • 今出川家
    • 藤原北家閑院流。菊亭家ともいう。始祖は西園寺兼季（光厳天皇の太政大臣、弘安４年(1281)〜暦応２年(1339)）、太政大臣西園寺実兼の四男。
    • 曾祖父の西園寺実氏が造った「今出川殿」に代々住んだことで、今出川家とした。兼季は菊が好きで「菊亭入道」を称した。経季は三宝寺を建立した。
  • 正親町家（おおぎまち）
    • 藤原北家閑院流の西園寺家の支流。裏築地（裏辻）とも。始祖は洞院実明（権大納言、文永１１年(1274)〜観応２年(1351)）、太政大臣洞院公守の二男。
    • 筝を家業とする。
  • 正親町三条家
    • 藤原北家閑院流の三条家の分流。始祖は三条公氏（権大納言、寿永元年(1182)〜嘉禎３年(1237)）、左大臣三条実房の二男。
    • 代々正親町に住んだので、正親町三条を家号とした。公氏の玄孫・公秀の女秀子は崇光・後光厳天皇の母となった。この家から、三条西家・滋野井家（滋野井家の方が早く創始されているので、なにかの間違いか）などが分かれたとある。
    
    

    一条家（一条邸跡）	鴨脚家
    現在の京都御苑内（一条大路相当位置）。以前は「一条邸跡」の木標が立っていたが、今は無い	現在の下鴨本通に面して邸宅があるが、表札が取り外されているので、移転したか

    
    
  • 狩野家（かのう）
    • 狩野正信（永享６年(1434)〜享禄３年(1530)）を祖とする漢画の家系。正信の祖は不詳。子の元信以降は（江戸に移転するまで）元誓願寺辻子に住んだ。
    • 江戸期になって（画の需要が増えたのか）探幽三兄弟がそれぞれ「家を興し」分家していった。
    • 下図以外にも、血縁関係はないが「狩野を名乗る」優秀な画家も多くいた。
      • 山楽（永禄２年(1559)〜寛永１２年(1635)）：豊臣秀吉の推薦で永徳の弟子に。徳川には追随せず、京に留まった。
      • 山雪（天正１８年(1590)〜慶安４年(1651)）：山楽の養子となる。養父・山楽に従い「京狩野」の画系を守った。
      • 永納（寛永８年(1631)〜元禄１０年(1697)）：山雪の子。元禄６年(1693)「本朝画史」（日本画人伝）を刊行した。
      • 興以（？〜寛永１３年(1636)）：光信の弟子、紀州藩の御用絵師となり法橋に就いた。
  • 烏丸家（からすまる）
    • 藤原北家日野家の分流。始祖は日野豊光（中納言、永和４年(1378)〜正長２年(1429)）、権大納言日野（裏松）資康の二男。
    • 烏丸小路に邸宅があったことから「烏丸」と称する。代々、芸道に秀で、多くの歌人を輩出した。寛永の三筆烏丸光広（寛永１５年(1638)７月１３日没）はこの一族。
  • 観世家
    • 貞治２年(1363)頃、観阿弥清次が大和で結座。応安５年(1372)京都に進出、醍醐寺の能で名声を得た。
    • 足利義満に見出された２代目世阿弥元清から京都に住む。
      • 初世・２世の供養塔は真珠庵、３世の墓は酬恩庵、４世〜２２世の墓は法恩寺にある。
    • ７代元忠が徳川家康に接近し、以降江戸に移る。京都の観世屋敷はそのまま残った。
  • 京極家
    • 藤原北家御子左流。始祖は藤原為教（右兵衛督、嘉禄３年(1227)〜弘安２年(1279)）、権大納言藤原為家の二男。二代為兼で断絶。
  • 久世家
    • 村上源氏の久我家流。始祖は久我具通（太政大臣、康永元年(1342)〜応永４年(1397)）、太政大臣久我通相の長男、徒然草にも出てくる久我通基の玄孫。
    • 荘園のある山城国久世に因み、久世相国と号したのに始まる。
  • 後藤家
    • 室町期に始まる彫金師の家系。祐乗（永享１２年(1440)〜永正９年(1512)）を始祖とする。
    • 初代祐乗・四代光乗・八代即乗が名人として知られる。五代徳乗は金座の頭役を務めた。室町通寺之内近くに後藤辻子を残す。一族の墓は常徳寺にある。
  • 金剛家
    • 鎌倉期から呪師猿楽として奈良法隆寺に奉仕。寛永年間(1624-)５代信吉が京都に移り、禁裏能御用を務めた。
    • ９代清房のとき、室町通四条上ルの武野紹鴎邸に移った。
    • １３代禎之助が江戸に呼ばれて以来、金剛家は江戸に移った。２３代右京の死で、金剛家は廃絶した。
    
    

    狩野家の家系図　 　　（【　】は「御用絵師」に任命した権力者」）	主な作品
    	正信＝周茂叔愛蓮図（国宝、九州国立博物館） 元信＝四季花鳥図（京都国立博物館） 松栄＝方丈障壁画（国宝、永徳との合作、聚光院） 永徳＝唐獅子図屏風（宮内庁三の丸尚蔵館） 光信＝豊臣秀吉像画稿（伝、逸翁美術館） 孝信＝後陽成院像（泉涌寺） 探幽＝方丈障壁画（大徳寺）

    
    
  • 三条西家
    • 藤原北家閑院流。南北朝末期の三条家の庶流。始祖は正親町三条公時（内大臣、暦応２年(1339)〜永徳３年(1383)）、内大臣正親町三条実継の二男。
    • 家名は三条大路北・朱雀大路西（右京）に住んだことによる。代々和歌を業とし、戦国期の実隆・公条・実条は三条西三代といわれた。
  • 園家（その）
    • 藤原北家持明院流。始祖は藤原基氏（右兵衛督、建暦元年(1211)〜弘安５年(1282)）、権中納言藤原（持明院）基家の三男。
    • 基氏はその後出家し「円空」と称し、生け花でも始めたか。生け花「青山流」（後世、後花園天皇に「せいざん」の名を許された）の祖でもある。
    
    
  • 鷹司家
    • 藤原北家。始祖は近衛兼平（太政大臣、安貞２年(1228)〜永仁２年(1294)）、関白近衛家実の四男。五摂家の一つ。
    • 家名は邸宅が鷹司室町にあったことによる。兼平の菩提寺は智恵光院。代々摂政関白を襲い、藤氏長者も長く続いた。
  • 千種家（ちぐさ）
    • 村上源氏久我家流。始祖は六条忠顕（左中将、不明〜建武３年(1336)）、左中将六条通有の曾孫。
    • 千種を称し、後醍醐天皇の側近として活躍した。その後も、一族に千種を名乗る人は多かったようです。
  • 茶家
    • 安土桃山・江戸期の京都の豪商。（茶屋家の資料によれば）大永年間(1521-)小笠原長時の被官・中島四郎明延が京に出てきて、茶屋を号し、初代清延以降、代々当主は茶屋四郎次郎を名乗った。
    • 二代清忠が関ケ原の戦い以降、幕府の呉服御用となり、代々「京都町人頭」を世襲した。京友禅の魁を作ったのもこの家。法華宗信者で本阿弥光悦とも親交があった。
  • 洞院家
    • 藤原北家の西園寺家の分流。始祖は西園寺実雄（左大臣、承久元年(1219)〜文永１０年(1273)）、太政大臣西園寺公経の子。正親町家より若干古い。
    • 四代公賢は有職故実に詳しく、日記「園太暦」を残す。文亀元年(1501)断絶した。
    
    

    鷹司家（鷹司邸跡）	千種家（比叡山の「水飲対陣碑」）
    江戸時代の鷹司邸は現在の京都御苑内にあった（明治天皇の移輦で鷹司邸も東京に引っ越した）	千種忠顕が足利直義と対陣した場所と伝わる。忠顕はこの戦で死んだ

    
    
  • 中院家（なかのいん）
    • 村上源氏。久我家の分流。始祖は土御門通方（大納言、文治５年(1189)〜暦仁元年(1239)）、内大臣源（土御門）通親の五男。
    • 久我家の二代顕房も「中院（なかのいん）」を称しており、初代師房も「土御門」を号したこともあり、久我家の姓は複雑。京都大事典は「中院家の始祖は通方」と言い切り、「土御門家の始祖は明記しない」。
  • 二条家（１）
    • 藤原北家の嫡流。始祖は九条良実（関白、建保４年(1216)〜文永８年(1271)）、関白九条道家の二男。五摂家の一つ。
    • 鎌倉期に良実が二条京極に邸宅を持ったことで二条家と称された。五代良基は北朝（光明、後光厳、後小松など）の摂政・関白を務めた。八代満基以降、足利・徳川両将軍家に仕えた。
  • 二条家（２）
    • 藤原北家御子左流。始祖は藤原為氏（権大納言、貞応元年(1222)〜弘安９年(1286)）、権大納言藤原為家の長男。
    • 五代為右で断絶。
    
    

    二条家邸跡	二条為氏が継承した京極邸跡
    寛文年間(1661-)二条家（１）は内裏南から現在の「今出川通寺町西入ル」に移転した	左京二条四坊十三町の京極邸は、定家→為家→為氏（二条家（２））に継承された

    
    
  • 広橋家
    • 藤原北家日野家流。始祖は日野（四条）頼資（権中納言、寿永元年(1182)〜嘉禎２年(1236)）、権中納言日野兼光の五男。室町初期の七代兼宣のとき「広橋」と称した。
    • 江戸期には代々武家伝奏を務めた。
  • 坊門家
    • 藤原北家道隆流。始祖は藤原隆清（仁安３年(1168)〜建保２年(1214)）、道隆の三男隆家の五世信隆（修理大夫）の五男。
    • 信隆の二男信清（内大臣）も「坊門」を名乗った（始祖は２人ということかも）。家名は隆清が坊門（詳細不明）に住んだことによる。子孫としては、後鳥羽天皇の母・殖子（七条院、坊門信隆の女）、後醍醐天皇に仕えた参議清忠が歴史書に出てくる。
    
    
  • 吉田家
    • 唯一宗源神道の宗家。本姓は卜部。亀卜をもって朝廷に仕え、平安末期に「卜部・平野」の二流に分かれた。永和４年(1378)兼熈のとき「吉田」と改めた。
    • 兼倶（永享７年(1435)〜永正８年(1511)）のとき「唯一神道」を興し、江戸期には「全国各地の神職に対し諸免許状を発行」し勢力を強めた。兼倶が吉田神社に「大元宮」を創建し、唯一神道の神社に改めた。
    • 吉田兼好（弘安６年(1283)〜観応３年(1352)）は（神道に改宗以前の）吉田神社の神職の家に生まれたとする説が多い。
    
    
  • 冷泉家
    • 藤原北家御子左流。始祖は藤原為相（権中納言、弘長３年(1263)〜嘉暦３年(1328)）、権大納言藤原為家の晩年の子。
    • 京極家・二条家が早々に断絶したため、この冷泉家が御子左家を継承した。。
    
    

    吉田家（吉田神社）	現存する冷泉家の邸宅
    写真は「表参道」の鳥居	今出川通烏丸東入ルに残る